2010年3月11日 21時45分
入場者数が目標の4分の1と低迷し、24億円の赤字が見込まれる横浜開港150周年イベント「開国博Y150」(09年4~9月)を巡り、大手旅行会社「日本旅行」(本社・東京都港区)が、イベント内容が契約と異なり、入場券代金は過払いだったとして、横浜市などでつくる主催者の横浜開港150周年協会に対し、約5000万円の返還を求める訴訟を横浜地裁に起こしたことが11日分かった。
訴状などによると、日本旅行は入場券約13万枚を購入し、2回に分けて代金を支払う契約を協会と結び、09年3月に半額の約1億756万円を支払った。ところが、協会が「歴史体験型展示」としていたイベント内容は実際は「紙芝居のような歴史展示」となるなど、入場料に見合う内容ではなかった。協会が「有料入場者数が少なくとも500万人」とした説明は虚偽だったとしている。そのうえで売れ残った入場券の代金約4000万円と販売手数料を合わせて約5000万円の支払いを求めた。
一方、協会は11日の理事会で、月内にも日本旅行を含む旅行代理店3社に対し、未払いの入場券代金計約2億3700万円の支払いを求める訴訟を起こすことを正式に決めた。協会は一連の訴訟について「公平な場所で決着をつけたい」としている。【山衛守剛】