2010年3月8日 11時7分 更新:3月8日 15時58分
乗客5人が死亡、64人が負傷した00年3月の営団地下鉄(現東京メトロ)日比谷線脱線・衝突事故から10年を迎えた8日、東京都目黒区の事故現場近くの慰霊碑で、遺族や同社役員が犠牲者の冥福を祈った。午後には前原誠司国土交通相が慰霊に訪れた。
東京メトロは梅崎寿社長など役員4人が訪れ、事故が起きた午前9時1分に黙とうし献花。梅崎社長は「二度と事故を起こさぬよう、安全運行に全力を尽くしたい」と話した。
東京メトロによると、昨年、治療を終えた重傷者1人と示談が成立し、補償交渉はすべて終えたという。
碑には犠牲者の名前が刻まれているが、1遺族が拒否したために4人分。合同慰霊の形式はとらず、社員らが訪れては献花し、慰霊碑に手を合わせていた。
亡くなった南日本新聞社員、槙保代さん(当時37歳)のいとこで埼玉県富士見市の主婦、平久美子さん(37)は「来るのが怖くてこれまで足を運べなかった。地下鉄の音を聞くだけでつらかった。お姉ちゃん(槙さん)と同じ年齢になり『やっと来られたよ』と伝えました」と話した。【平井桂月】