携帯電話:山でも通話OK…各社が基地局整備

2010年3月6日 21時27分

 携帯電話各社が標高の高い山でも通話などができるよう、基地局の整備を進めている。本格化したのは00年ごろから。富士山ではNTTドコモが99年、ソフトバンク(当時はJ-PHONE)が01年、KDDI(au)は昨年から、夏の登山シーズン中、山頂に臨時基地局を設置している。

 中でもドコモは積極的で、08年には富士山の四つある登山道全域で通年通話ができるようにした。北アルプスでも、南部の槍ケ岳(標高3180メートル)と人気縦走ルートにある常念岳(同2857メートル)に、積雪期を除いて設置。今夏には南アルプスの北岳(同3193メートル)への新設も検討中だ。

 背景には利用者の要望がある。稜線(りょうせん)ではふもとにある基地局を経由して通話できる山が増え、登山の携行品として携帯電話は定番化している。警察庁によると、08年の山岳遭難1631件のうち44.9%は携帯電話を使っての通報。今月の船形山での遭難事故でも、携帯電話からの110番や家族への連絡が救出の糸口になった。

 携帯電話会社側も「遭難時に利用してもらうため」(ドコモ)と整備の意義を強調する。中高年の登山ブームを受けて「山でも通じる」と利用者を囲い込む効果もありそうだ。【中井正裕】

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