2010年3月6日 20時6分 更新:3月6日 23時44分
自民党の与謝野馨元財務相が10日発売の月刊誌「文芸春秋」4月号に掲載される論文で、夏の参院選前に谷垣禎一総裁ら執行部の刷新を求め、実現しない場合は新党結成も辞さない考えを示していることが6日、分かった。舛添要一前厚生労働相が「谷垣降ろし」に言及したのに続き、ベテランの与謝野氏が執行部を批判したことで、今後、党内に動揺が広がる可能性もある。
与謝野氏は論文で「この半年間、本気で鳩山政権を倒そうという気概が見えなかった」と指摘。「現執行部を刷新して新生自民党で出直す道もある。それがだめなら新党を含め新しい道を歩む決断をせざるを得ない」と明らかにしている。
また、与謝野氏は6日、東京都内で記者団に「普段だったら内閣が倒れるような事件が起きているにもかかわらず、(野党の)自民党の評価が高まっていないことに深い反省をしなければならない」と語り、現執行部は鳩山政権を攻め切れていないとの認識を示した。2月の党首討論での谷垣氏についても「(物足りないと)みんな思っているのではないか」と評した。
谷垣氏は佐賀市内で記者団に「与謝野氏は党の政策立案の要だ。特に政策面では今後、十分力を発揮してくださると思う」と語った。
一方、河野太郎国際局長は6日付の自身のブログで「去年の総裁選に名乗りを上げなかった人が、いきなり総裁に辞めろというのは違和感がある。(谷垣)総裁に党内の体制を一新するよう求める」と指摘した。【田所柳子、木下訓明】