米の中国公館で外交官逮捕　国務省、外交問題化を懸念

　【ワシントン共同】米南部テキサス州ヒューストンで中国外交官の男性が中国領事館の駐車場で地元警察に逮捕されけがをする事件があり、米国務省のクローリー次官補（広報担当）は４月３０日の定例記者会見で「深刻に受け止めている」と述べ、国務省が事実関係を調査していることを明らかにした。

　在外公館の敷地内では地元当局の警察権は及ばない上、外交官には不逮捕特権がある。中国外務省は３０日、「外交官の安全を守ることは極めて重要なことだ」と反発。クローリー氏は「中国側の懸念を共有している」と述べ、米中関係の新たな火種になることは避けたい考えを示唆した。

　米メディアによると、男性は副領事。ヒューストン市警の警察官３人が２４日夜、男性がナンバープレートのない車を運転していたため停止を求めたが、応じなかったため追跡し、中国領事館の駐車場で逮捕した。男性は手錠をかけられた際に頭や首にけがをし、病院で手当てを受けたという。

　米中関係はことしに入り、台湾やチベットをめぐる問題などで悪化したが、オバマ大統領と胡錦濤国家主席が４月に会談するなどして関係修復が進んでいる。