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口蹄疫:川南町でも疑い 県、金融支援を検討 畜産農家へ、相談窓口も設置 /宮崎

 ◇知事、国に支援求める

 家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)に感染した疑いのある牛が、都農町に続いて21日、川南町でも確認された。県は対策会議を開き、防疫徹底の継続を確認した。畜産業界にも影響が広がりつつあるが、枝肉の取引キャンセルなど目立った風評被害は生じていないという。また県は畜産農家への金融支援の検討を開始し、相談窓口を設置した。【石田宗久、小原擁】

 ■県防疫対策本部

 東国原英夫知事を本部長に各部局長らで構成する県口蹄疫防疫対策本部は、消費者への安全性のPRや畜産農家向けの相談窓口開設など対応強化を確認した。畜産農家の支援や防疫対策のための財政支出も検討する。知事は「殺処分の頭数や子牛価格の落ち込みなど規模や質は前回とまったく異なるという認識で行動してほしい」と指示した。

 また、知事は民主、自民両党の国会議員とも意見交換し「原因が分からず災害に近い」と述べ、国への財政的な支援を求めた。22日には都農、川南両町の対策本部を訪問する。

 ■感染ルート

 ウイルスで感染する口蹄疫。00年に宮崎市と高岡町(当時)で3件の感染が確認された際にも原因の特定には至らなかった。飼料や人の移動、風--。可能性の一つにあがるのが輸入稲・麦ワラだ。農水省は05年、中国での口蹄疫発生を受けて中国産の稲ワラの輸入を一時停止したが、07年に解除した。

 動物衛生研究所によると、中国では昨年から今年にかけて口蹄疫が多発し、韓国でも今年1月に発生した。

 一方、JA宮崎経済連は取り扱う飼料用稲ワラを「口蹄疫の経験から慎重を期したい」と国産に限定している。ただし、国産は量が不足しており、価格も高め。農家が輸入稲ワラを利用せざるを得ないのも現実だ。

 JA宮崎経済連は、高級ブランド「宮崎牛」を取り扱うが、枝肉販売など「取引キャンセルもなく、風評被害はおきていない」と話している。

 ■食肉処理場など

 県内2カ所で食肉処理工場を運営するJAグループのミヤチクは、都農工場(都農町)が移動制限区域内のため、稼動を停止した。県北から出荷される肉牛を年間約1万5000頭を処理するが、当面は高崎工場(都城市)で対応する。県内の食肉処理場は7施設。県は農水省と協議し、消毒を条件に牛や豚の運搬車が国道10号など規制区域内を通過することを認めた。

 さらに川南町でも感染の疑いが確認されたことで、種牛や冷凍精液を管理する県家畜改良事業団(高鍋町)も移動規制の対象に。冷凍精液の譲渡ができないため職員は精液採取業務を中断し、防疫に徹しているという。

 ■都農・川南町

 都農町では20日から24時間体制で問い合わせなどに応じている。対策本部の酒井雅彦産業振興課長は「1時間に10本ほど問い合わせがある。補償を不安視する声がほとんどで、県や国に要望したい。町独自でも資金援助などの対応を考えたい」と話した。

 川南町ではこの日、約30人の職員を動員し、殺処分、道路規制などに当たらせた。また注意喚起する防災無線を流し、各農家に防疫法を記した紙を送付。相談窓口には「道路はどこが封鎖されるのか」「人の集まるところに行っても大丈夫なのか」などの問い合わせがひっきりなしだった。

 発生農場の周辺約4キロの畜産農家約90戸の聞き取り調査では、約50戸で異常のないことを確認している。

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 ■相談窓口

 県は相談窓口を設置した。

 【牛肉・牛乳など食品の安全について】県衛生管理課(0985・26・7077)▽県畜産課(26・7139)のほか、県内8カ所の各保健所

 【家畜の疾病について】県畜産課のほか、宮崎家畜保健衛生所(0985・73・1377)など県内3カ所の衛生所

 【営農について】県営農支援課(0985・26・0068)のほか、県内8カ所の各改良普及センター

 【中小企業の経営などについて】県商工政策課金融対策室(0985・26・7097)のほか、県内3カ所の県税・総務事務所

毎日新聞 2010年4月22日 地方版

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