鳩山政権発足直後から表舞台で存在感を示し、活動的なファーストレディー像を印象づけていた鳩山幸(みゆき)夫人が最近、公の場からめっきり姿を消している。鳩山由紀夫首相の支持率低迷を受け、浮ついた印象を避けて陰ながら夫を支えようという狙いのようだ。
首相の一日を記録する「首相動静」への登場回数の激減が、方針転換を物語る。公務を除いた買い物や観劇などへの首相との外出は政権発足直後の2009年9〜12月に15回あったが、今年1〜3月は6回。4月は散髪に同行したのみだ。プライベートでの外食も年内19回だったのが1〜3月は4回(千葉県での泊まりがけの静養含む)とペースダウン、4月は一度もない。
幸夫人は政権交代前から、菅直人氏の伸子夫人と「Oh! 勝ってレディース」を結成して街頭演説に繰り出すなど、人目を引く行動で有名だった。首相夫人になって以降は元タカラジェンヌという経歴も手伝い、注目を一身に集めた。東京国際映画祭で首相とカーペットの上を手をつないで歩いたり、ジーンズが最も似合う有名人を選ぶ「ベストジーニスト2009」に選ばれたりと、露出が加速。テレビ番組や雑誌に引っ張りだこになった。
ところが、政権への逆風が強まるにつれ、報道で「幸夫人批判」が散見されるように。3月には、韓国の人気俳優イ・ソジン氏と頻繁に会いすぎではないかという指摘まで受けた。政府高官は「最初は何でも『(幸さんは)格好いい』という感じだったが、今は批判の対象だ」。政権低迷と足並みをそろえ、あこがれの対象からやっかみの対象になってきたと感じている。