米軍用地の契約地主でつくる県軍用地等地主会連合会(土地連)の賃借料増額の陳情に絡み、防衛施設庁が1999年度予算の概算要求時、自民党の鈴木宗男衆院議員からの「指導」を受ける形で予算増額を確保した、と記載した内部資料が9日までに明らかになった。その以前から賃借料抑制の政府方針に注文するなど「圧力があった」との証言もあり、毎年増え続ける米軍用地借料への強い影響力をうかがわせている。
鈴木氏には毎年土地連役員らから数十万円の政治献金がある。土地連は「政治資金規正法にのっとって適正に行っており、他の関係議員にも献金している。特別な支援を依頼したことはない」(土地連事務局)と話しているが、「内部でも別格扱いだった」(元役員)との指摘もある。
記載があるのは98年8月の翌年度概算要求に関する文書。「財政構造改革で前年度以上に厳しい財政事情ではある」としつつも「土地連が前沖縄開発庁長官の鈴木宗男議員に(借料の増額を)お願いしたことから、当庁は鈴木議員の御指導を頂き、3・5%(の借料の増額)を確保した」としている。
土地連の元役員は「土地連は歴代開発庁長官らに献金、陳情しているが、鈴木氏らは特別扱いで、施設庁の文書もそれだけ影響力があるから」と話している。
一方、施設庁関係者によると鈴木氏は1995年8月の来年度予算の概算要求時に借料決定に深く関与。庁はバブル経済崩壊後の地価低迷を踏まえ、借料伸び率を対前年比3%台に抑制する方向だったが、鈴木氏が「抑制したら党国防部会で防衛庁予算に反対する」などと働き掛けた。
結局抑制をあきらめ、前年度同水準の5%で大蔵省(現財務省)に要求、同年暮れの予算案決定でも満額査定された。
関係者は「それ以降は地料に際しては事前に鈴木氏の了承を得る仕組みが暗黙のうちに庁内でできあがった。沖縄選出議員からも毎年同様に要望はあるが、鈴木氏は特別な存在で、土地連も相当頼っていた」と明かす。
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