政府「くい打ち」示唆 “県内強行”あぜん
5月1日10時5分配信 琉球新報
「県民大会で民意を示したのになぜだ」。政府が名護市辺野古沿岸部へのくい打ち桟橋方式による代替施設建設と徳之島への一部移転案で最終調整していることに、関係自治体の住民や市民団体関係者らは驚きを隠さず「とんでもない」と一斉に反発した。鳩山由紀夫首相が4日の来県の際、宜野湾市で住民との対話集会を設けるのに対し、名護市では予定されていないことへの強い批判も噴き出した。
【名護・宜野湾】ヘリ基地反対協の安次富浩代表委員は「くい打ち桟橋は環境に影響が少ないというが、埋め立てなければいいというわけではない」と批判。「辺野古に造り、徳之島にも移転するなら新基地を増やすだけ。これ以上県民をばかにするのは絶対に許せない」と怒りを爆発させた。
名護市辺野古の無職島袋肇さん(50)は「将来の子どものことを考えると自然を残してほしい。地元として生活のことを考えると複雑な思いもあるが、これまで県外と言いながら、県内移設を強行するのはどうなのか」と疑問を呈した。
沿岸部に建設する現行案を支持してきた辺野古区有志会代替施設推進協議会の許田正武さん(41)も「強行はしてほしくない。ちゃんとした話し合いの場を設けた上で、地元に打診してから進めてほしい」と注文した。
一方、2004年に米軍ヘリが墜落した沖縄国際大学がある宜野湾市宜野湾区の仲村清自治会長は「政府が県内移設を進めることは無理だ。絶対に県外、国外移設すべきだ。政府は全国的に普天間移設を議論すべきだ」と語気を強めた。
◆名護市民「素通り」批判 届かない声「なぜ」
米軍普天間飛行場の移設問題で、4日に来県する鳩山由紀夫首相は同飛行場周辺に住む宜野湾市の住民と対話集会を予定しているが、移設先として浮上している名護市の住民と対話の機会を設けていないことに、批判の声が上がっている。
宜野湾市の伊波洋一市長は対話集会について「名護市への移設を容認するものにしてはいけない」とくぎを刺し、「県民大会で示されたように宜野湾市民も県内移設を明確に反対している。県民の意見を受け止めてほしい」と強調した。同市の山内繁雄基地政策部長は「普天間飛行場の危険性除去を求めるのはもちろん、『市民』だけではなく『県民』の立場から、県内移設を反対する集会にしたい」と語った。
4・25県民大会の100人要請団として上京した「ヘリ基地いらない二見以北十区の会」の浦島悦子共同代表は「県内移設反対の民意は伝えた。その時も会わなかったのに、今何のために来るのか。すごく失礼だ」と怒り心頭。稲嶺進名護市長との面談に注視し「市民も一緒に同席させてほしい」と強調した。
◆「県民無視」憤り 4・25関係者
名護市辺野古沿岸部へのくい打ち桟橋方式による代替施設建設と鹿児島県徳之島への一部移転をセットにした案を政府が最終検討していることに対し、4・25県民大会の関係者らは、大会で示した「国外・県外」の民意と懸け離れた案を検討している鳩山由紀夫首相に対し「誰のための政治か」と怒りをあらわにした。
県民大会共同代表を務め、東京で要請行動を行った高嶺善伸県議会議長は「県民の思いを伝えたばかりなのにとんでもない話だ。民意があしらわれたという思いだ」と驚きを隠さない。「首相には正しい情報が入らないのか。来県時には直接会って県民の思いを伝えたい」と語った。
県民大会への若者の参加を呼び掛けたキリスト教学院大・短期大の学内NGO「ONE LOVE」のボランティアスタッフ、岸本佳子さん(23)は「県民大会で沖縄の意思を示したはずなのに一切届いていない。誰のための政治、政権なのか」と憤った。
世界自然保護基金(WWF)ジャパンの花輪伸一さんは「基地建設は環境への影響が大きい。日本政府は、日本のどこにも米軍基地を造る場所はないことを米国に伝えるべきだ」と求めた。
◆「県民踏みにじる」首相に抗議声明 ジュゴン見守る会
沖縄のジュゴンの生息環境の保全を求めて活動する「北限のジュゴンを見守る会」(鈴木雅子代表)は30日、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する鳩山由紀夫首相あての抗議声明を発表した。同会の在東京メンバーが同日中に内閣府を訪ね声明文を届けた。声明では、現在も政府が名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸域に代替施設建設を検討していることについて、4・25県民大会を引き合いにしながら「沖縄県民の総意を踏みにじろうとしている」と批判した。
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名護市辺野古の無職島袋肇さん(50)は「将来の子どものことを考えると自然を残してほしい。地元として生活のことを考えると複雑な思いもあるが、これまで県外と言いながら、県内移設を強行するのはどうなのか」と疑問を呈した。
沿岸部に建設する現行案を支持してきた辺野古区有志会代替施設推進協議会の許田正武さん(41)も「強行はしてほしくない。ちゃんとした話し合いの場を設けた上で、地元に打診してから進めてほしい」と注文した。
一方、2004年に米軍ヘリが墜落した沖縄国際大学がある宜野湾市宜野湾区の仲村清自治会長は「政府が県内移設を進めることは無理だ。絶対に県外、国外移設すべきだ。政府は全国的に普天間移設を議論すべきだ」と語気を強めた。
◆名護市民「素通り」批判 届かない声「なぜ」
米軍普天間飛行場の移設問題で、4日に来県する鳩山由紀夫首相は同飛行場周辺に住む宜野湾市の住民と対話集会を予定しているが、移設先として浮上している名護市の住民と対話の機会を設けていないことに、批判の声が上がっている。
宜野湾市の伊波洋一市長は対話集会について「名護市への移設を容認するものにしてはいけない」とくぎを刺し、「県民大会で示されたように宜野湾市民も県内移設を明確に反対している。県民の意見を受け止めてほしい」と強調した。同市の山内繁雄基地政策部長は「普天間飛行場の危険性除去を求めるのはもちろん、『市民』だけではなく『県民』の立場から、県内移設を反対する集会にしたい」と語った。
4・25県民大会の100人要請団として上京した「ヘリ基地いらない二見以北十区の会」の浦島悦子共同代表は「県内移設反対の民意は伝えた。その時も会わなかったのに、今何のために来るのか。すごく失礼だ」と怒り心頭。稲嶺進名護市長との面談に注視し「市民も一緒に同席させてほしい」と強調した。
◆「県民無視」憤り 4・25関係者
名護市辺野古沿岸部へのくい打ち桟橋方式による代替施設建設と鹿児島県徳之島への一部移転をセットにした案を政府が最終検討していることに対し、4・25県民大会の関係者らは、大会で示した「国外・県外」の民意と懸け離れた案を検討している鳩山由紀夫首相に対し「誰のための政治か」と怒りをあらわにした。
県民大会共同代表を務め、東京で要請行動を行った高嶺善伸県議会議長は「県民の思いを伝えたばかりなのにとんでもない話だ。民意があしらわれたという思いだ」と驚きを隠さない。「首相には正しい情報が入らないのか。来県時には直接会って県民の思いを伝えたい」と語った。
県民大会への若者の参加を呼び掛けたキリスト教学院大・短期大の学内NGO「ONE LOVE」のボランティアスタッフ、岸本佳子さん(23)は「県民大会で沖縄の意思を示したはずなのに一切届いていない。誰のための政治、政権なのか」と憤った。
世界自然保護基金(WWF)ジャパンの花輪伸一さんは「基地建設は環境への影響が大きい。日本政府は、日本のどこにも米軍基地を造る場所はないことを米国に伝えるべきだ」と求めた。
◆「県民踏みにじる」首相に抗議声明 ジュゴン見守る会
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最終更新:5月1日10時5分
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