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【東京】

個性詰め一箱古本市 谷根千地区あす・来月2日

2010年4月28日

「一箱に限定する方が、その人らしさが出るし、本屋さんごっこにはちょうどよい大きさ」と語る南陀楼綾繁さん

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 台東、文京両区にまたがる谷根千地区で二十九日と五月二日、恒例の「一箱古本市」が開かれる。アマチュアの「店主」らが、蔵書から選んだ本をミカン箱程度の箱に入れて売り出す。冊数が限られるため、品ぞろえで個性を競う「本屋さんごっこ」だ。 (中里宏)

 一箱古本市は、二〇〇五年から春秋開催し、これが十回目。谷根千の催しとして定着しただけでなく、仙台、名古屋、福岡などでも開催され、広がりを見せている。

 書店や喫茶店、ギャラリーなどの軒先を借りて並べられるのは、二十九日が九カ所五十箱。五月二日は十カ所五十五箱。「店主」募集は二日間で締め切られる人気だった。ボランティアスタッフも約六十人が参加。本好きたちが「本まみれの一日」を楽しむ。

 一箱古本市はフリーライターの南陀楼(なんだろう)綾繁(あやしげ)さん(43)と、妻のイラストルポライター内澤旬子さんの「この辺で古本市ができたらいいね」という会話から始まった。

 「もうひとつ、谷根千の個性的な書店、古書店や雑貨店、ギャラリーなどを入れた町歩き用の地図を作りたいという願望があった」と南陀楼さん。〇四年の年末、地元の書店主らに話したところ、その場で一箱古本市と無料の地図作りを同時に実現することが決まった。

 「不忍ブックストリートMAP」と名付けたイラスト地図は内澤さんが担当。二十〜四十代向けに約百七十スポットを索引付きで紹介、今では谷根千歩きの定番になっている。今年は四万部刷り、広告も十枠増やした。

 谷根千地区では二十四日〜五月九日を「一箱古本市week」として、展覧会やライブなど五十三の関連イベントが開かれている。

 南陀楼さんは「不忍ブックストリートという名前には、願望と半分冗談をこめていたが、一箱古本市に多くの店が協力してくれ、名実ともに実現した。谷根千に来るなら、この時期に合わせてください」と話している。各日午前十一時〜午後四時、雨天決行。

 

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