中日−巨人 7イニングを2失点も白星をつかめなかったチェン(榎戸直紀撮影)
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チェンが勝てない! 中日は29日の巨人戦(ナゴヤドーム)に敗れ、このカード、前回に続き負け越し。先発のチェンは7イニング2失点と好投したが、打線の援護もなく5試合勝ち星なしとなった。これで首位との差は再び4・5。やはり吉見、チェンの両輪が白星量産といかなきゃ、巨人追撃も始まらない−。
勝ち星が左手から遠のいていく。7回まで投げ終えて降板となったチェンはベンチの奥に座り、硬い表情で3敗目の黒星がついた瞬間を迎えた。独走態勢に入りつつある巨人との3連戦で勝ち越しが懸かっていた大事な試合。7イニング2失点(自責1点)で、数字上は先発の役目を十分果たしている。
だが、それなのに…。10日の巨人戦(東京ドーム)から、勝ち負けがつかなかった1試合をはさんで3連敗。今季初登板で完封勝利を上げた3月27日の広島戦(ナゴヤドーム)から、かれこれ1カ月以上も勝ち星から遠ざかっている。
「初回から絶対に抑えなければと思ったから、逆に変な感じになっていた…」。失点2だが、1点目は初回で、早々と巨人に主導権を握らせてしまった。さらに4回の2点目は三塁・森野のタイムリーエラーが絡んだが、元をたどれば2死から投手の東野に不用意に投げた球を二塁打されたことが始まりだった。
「ピッチャーに打たれたのがすべて。(4回が無失点なら)ゲームの流れが変わっていたと思う。あれで打たれなければ1点差。自分の責任です」と反省した。わずか2点だが、“されど”の2点だった。チェンに白星がつかない状況について落合監督は「勝てないってことは何かがある。その何かは本人に聞いてくれ」と語ったが、本人はその理由がどこにあるかを分かっているようだ。
「前よりもいい感じで投げられている。そうでないと試合もつくれない」とチェン。勝ち星がつく先発投手の“極論”は、味方が取った点数よりも少ない失点で投げきること。2、3点取られても構わない展開もあれば、この日のように1点が重くのし掛かる試合もある。
4・5ゲーム差に離された巨人との再戦は、交流戦明け初戦の6月18日からの東京ドーム3連戦。その時の状況は分からない。だが吉見と並ぶローテの軸であるチェンが勝利の嗅覚(きゅうかく)をつかまなければ、ペナント奪回は厳しくなる。
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