サブカテゴリー

PR:

必殺の左出た!西岡“歴代最多”4連続KO防衛

防衛に成功し、美帆夫人(左)と抱き合う西岡
防衛に成功し、美帆夫人(左)と抱き合う西岡
Photo By スポニチ

 WBCスーパーバンタム級王者の西岡利晃(帝拳)は、同級10位のバルウェグ・バンゴヤン(フィリピン)を5回1分14秒、TKOで下し、4度目の防衛に成功。初防衛から4連続KOで世界王座を守るのは、渡辺二郎を抜いて国内最多となった。

 日本武道館に閃(せん)光が走った。5回、プレッシャーを強めた挑戦者のバンゴヤンに、西岡の左カウンターが襲いかかる。「狙ってはないが“当たる”と思った瞬間に自然と出た」。相手の左フックより一瞬速く、左ストレートで顔面を打ち抜く。尻もちをつくようにリングに倒れ込んだ挑戦者。ダメージは明らかで、さらに連打をまとめると、レフェリーがたまらず割って入った。

 初防衛戦から4連続KO防衛。3連続で並んでいた元WBA世界スーパーフライ級王者・渡辺二郎(大阪帝拳)を抜き日本人世界王者の歴代最多となった。「意識はしてなかった。結果的にできてよかった」。コーナーに駆け上がり、右拳で胸を叩く姿に貫禄すら漂わせた。前夜、愛娘・小姫ちゃん(4)が発熱したため“お留守番”となり、リング上で抱き上げる勝利の儀式はならなかったが「次の試合では娘のコンディションも整えて、一緒にリングに上がれるようにしたい」。今度はジョークで会場を沸かせてみせた。

 20代で4度の世界挑戦に失敗し、01年には左アキレス腱も断裂した。天才ともてはやされ高校3年でプロデビューした男が、5度目の挑戦でついに世界王座を手にしたのは32歳だった。西岡は開眼の理由を「一番変わったのは気持ち。迷いがあったけど命を捨てるほどの覚悟で試合に臨めるようになった」と明かす。無意識にかばっていた左足の蹴りがよみがえり、左ストレートに体重が乗るようになった。4連続KO防衛はすべてその左拳が生み出した。

 2年前から家族を実家に預け、試合前は単身生活を送る。「引退してから後悔しないようできることはすべてやっておきたい。世界の西岡になります」。3月には小姫ちゃんの幼稚園の入園式にも出席できなかったが、パパの挑戦はまだまだ続く。

 ◆西岡 利晃(にしおか・としあき)1976年(昭51)7月25日、兵庫県加古川市生まれの33歳。高校3年の時、JM加古川ジムからプロデビュー。98年12月に日本バンタム級王座を獲得。00年6月にWBC世界同級王者ウィラポン(タイ)に判定負け。同年9月に帝拳ジムへ移籍してからも3度、ウィラポンに挑戦し王座奪取ならず。08年9月、5度目の世界挑戦でナパーポン(タイ)に判定勝ちしWBC世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦を制す。その後、正規王者に昇格した。1メートル69。左ボクサーファイター。

 ≪バンゴヤン再挑戦に意欲≫西岡に敗れたバンゴヤンは「まだやれると思ったので残念」とレフェリーストップを振り返った。2回にサウスポー対策のいきなり繰り出す右ストレートで王者を慌てさせるなど、果敢な試合を見せた。敗れたものの、帝拳陣営が「23歳と若いだけに伸びしろがある」と警戒していた実力の片りんを見せた。バンゴヤンも「まだ若い。この経験を生かして再挑戦したい」と話した。

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2010年05月01日 ]

関連ニュース

読み込み中..

PR

関連写真

読み込み中..

ニュース

クイックアクセス

注目試合

プロレス試合結果

特集

ボクシング

スペシャルコンテンツ

このページの先頭に戻る ▲