守って攻めた中村屋　さよなら歌舞伎座インタビュー（２）

　歌舞伎俳優の中村勘三郎（５４）と勘太郎（２８）、七之助（２６）親子が、建て替えのため３０日に閉場式が行われる東京・歌舞伎座の思い出を語った。

　勘三郎（以下三）「昨年１月からの『さよなら公演』は、『鏡獅子』で始まり、最後の４月は『連獅子』。舞台の上でおじぎをするときは、遠くに歌舞伎の神様がいるっていうか、『踊らせていただきます』という気持ちと『ありがとう』という気持ちを持って踊ってたね」

　七之助（以下七）「名だたる役者さんがいらっしゃる中で、この出し物をやらせていただけた。師匠（父）のおかげだと思います」

　勘太郎（以下太）「僕は、今回は最初に習った（当時９歳）ことを、初心に帰る気持ちで踊りました。やはり２０年前に教わったことが、仔獅子の踊りの基礎なので。当時は、ついていくのが精いっぱいでしたけど」

　三「『連獅子』っていうのは、（仔獅子を）蹴落として上ってくる踊り。私も（父の１７代目勘三郎と踊って）上ったわけ。バタバタ上らないといけないからね。その意味では、（息子２人も）まあまあ戦力になってきたかな」

　太「３人一緒に踊るのは、やっぱり楽しいですね。お客さんから見れば、一見変わりないんですが、微妙な変化というのが手に取るように分かるので」

　七「３人でしか見せられないものを、というのはありますね。３年後、また（『連獅子』を）やれるような役者でいたいですし、師匠がやろうと言ってくれればやりたいな、と思います」

　三「これからも、『歌舞伎座に恥かかせちゃいけないな、オヤジに恥をかかせちゃいけないな』という気持ちですね」