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歌舞伎俳優の中村勘三郎(54)と勘太郎(28)、七之助(26)親子が、建て替えのため30日に閉場式が行われる東京・歌舞伎座の思い出を語った。「御名残四月大歌舞伎」では、“お家芸”の「連獅子」を終えたばかり。2012年には、勘太郎の6代目勘九郎襲名を控える中村屋の「これから」についても熱く語った。
勘三郎(以下三)「1959年から51年。初舞台が4月だったから、丸々51年間お世話になった。初めて舞台に立ったときを全部覚えていると言ったらウソになるけど、ライトの明かり、白粉(おしろい)のにおい、ライトって言ってもフットライトの記憶。その中で、お客さんの『うわぁーッ』という歓声は覚えている」
勘太郎(以下太)「僕は楽しいよりも、怖い、つらい、苦しいの方が多いですね。楽屋で遊んでいて、こっぴどく怒られたり…(苦笑)」
七之助(以下七)「そう。僕は3歳のときに(勘三郎に)ビンタされて、吹っ飛ばされたり。初舞台は『ライトが熱いなあ』というか、客席につるされて並んだ提灯(ちょうちん)が印象的でした」
三「歌舞伎座の提灯と言えば、目の付け所でもある。電気の切れかかった変色した所があってね。『連獅子』のときは、それを(目印にして)仰ぎ見る感じで踊った」
太「ロビーでやる総ざらいのけいこを、前の月の人形焼きのにおいとか、甘い香りの中でしたのも、子供の頃の記憶に残っていますね」
三「あそこは縁日みたいだろ? 鯛焼き売ってて。古典芸能見て、鯛焼き食べるって感覚は、なくしてもらいたくないねえ。歌舞伎座のいいところっていうのは、格調と猥雑(わいざつ)さ。それが同居する面白さが魅力じゃないか」
七「ならでは、の雰囲気は別格です。せりふをしゃべったときに返ってくる感じとか。縦が長くなくて横が広い、とてもやりやすい劇場でした」
太「やっぱり、においと空気。(建物の)中が良ければ、外も映えるんですよ。僕たちの子供、孫たちが、僕たちの感じたにおいや恐怖と、幸せを味わってもらえるものを作っていかないと、と思いますね」
三「先輩たちの魂が、一番多く集まっているところじゃないかな。人のぬくもりが、すごくあるのが歌舞伎座。ニューヨーク公演時、昔のヤンキー・スタジアムに行ったんだけど、あのベンチ裏っていうの? 汚いんだよ~。でも『あ、歌舞伎座に似てるな』と思った。彼ら(大リーガー)にとっては、ベンチ裏ってのは僕らにとっての歌舞伎座なんじゃないかなと思った」
太「思い出といえば、歌舞伎座でヘッドスライディングしたのは、僕しかいないんじゃないかと思います。『鼠小僧』(03年8月初演)で。舞台が木のささくれだらけで、体中トゲだらけになったんですよ」
三「でも大切なのは木の感覚。新しい歌舞伎座にも『木の感覚は絶対に残してくれ』と言っている。舞台だけじゃなくて、廊下でも何でも木だと疲れにくい。コンクリートでコンコンにされると、もうそれだけで足が参っちゃう」
七「でも、こうして話していても、歌舞伎座がなくなるという実感がわかないんですね。東銀座の駅を出れば(建物が)まだあるので。実感がわくのは、歌舞伎座が平地になった時。工事がスタートしたら、寂しくなるでしょうね」
(2010年4月30日06時06分 スポーツ報知)
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