事業仕分け第2弾 宇宙開発関連がまたも対象に 情報センター「JAXA i」に廃止判定
支持率回復の切り札・事業仕分け第2弾で26日、宇宙開発関連がまたも仕分けの対象になった。
また、26日の事業仕分けでは、因縁の対決が見られた。
2009年11月、仕分け人の蓮舫参院議員は、「これ、世界一になる理由は、何があるんでしょうか?」と述べた。
2009年11月の事業仕分けで、縮減判定された次世代スーパーコンピューターの研究を行う独立行政法人・理化学研究所が、再び事業仕分けの舞台に上がってしまった。
仕分け人の寺田 学衆院議員は、「科学の研究を軽視しているわけでもまったくありません。多額の税金を投入をして、そして、それを受け取られている皆さん方が、本当に効果的に運営できているのか」と語った。
仕分け人がまず指摘したのは、研究内容がほかの独立行政法人と重複していることについてだった。
理化学研究所の担当者は、「大学では、どういう研究が行われているのかというのを紹介していただきます。その中で、理研が特色を持ってやれるプログラムを作ります」と話した。
担当者の的を射ない答えに、ついに枝野行政刷新担当相の怒りは頂点に達した。
枝野行政刷新担当相は「最後に言おうと思っていたんですけど、全部、言い訳から入るんですよ。前回もそうなんですが、ものすごく大事なことをされているのは、ものすごくよくわかるんです。もっともっと同じお金をより効果的に使う、あるいはもっと少ないお金で、同じような効果を上げるということを、常に問題意識を持っていただかなければいけないのに」と語った。
結局、仕分け人が出した判定は、研究体制の見直しを求めながらも、規模は現状維持となった。
さらに26日午後、仕分け人がメスを入れたのは、宇宙飛行士・山崎直子さん(39)の活躍が記憶にも新しい宇宙開発事業だった。
仕分け人は「宇宙飛行士の山崎直子さんの笑顔、とてもすてきでした。多くの人々が元気づけられたと思います。あの笑顔を支えられた皆さんの活動には、心から敬意を表したいと思います」と話した。
仕分けの対象となったのは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が運営する事業だった。
東京・丸の内のビジネス街にあるJAXA iは、入場無料で、誰でも簡単に宇宙を体験できる施設となっていて、最近では、宇宙飛行士・山崎直子さんなどの影響で、女性やサラリーマンなど、多くの人が来場するという。
来場者は「ごはんを食べに来て、ふらっと立ち寄った感じです」、「もともと、宇宙に興味があったんですよ。こんな暗い時代で、やっぱり希望が持てるというのは、なんか宇宙しかないじゃないですか」と話した。
仕分けの対象となったこの日のJAXA iの来場者はおよそ500人で、さらに週末には1,000人にものぼるという。
JAXAの樋口副理事は、「宇宙オタクじゃない、一般の方が宇宙にアクセスしてもらうには、どうすればいいか。立ち寄りの人の場所としては、非常に効果があるということを申し上げたい」と語った。
しかし、問題となっているのはその経費で、JAXA iには、記念撮影ができる宇宙服や実際に実験で使われたエンジンなど、30点以上の展示物があるが、年間1億円近い国費が投じられているという。
年間1億円にも及ぶ経費に、仕分け人からは、広報効果を疑問視する声が相次いだ。
仕分け人の菊田 真紀子衆院議員は、「科学未来館と共同したり統合したりして、よりバージョンアップしたいいものを作った方がいいのではないかなと。実は率直に会場を見て、思っているんですが」と語った。
JAXAの樋口副理事は、「ふらっと立ち寄る人たちの機会を失うというのは正直、大変な打撃です」と話した。
仕分け人は「同じ1億円かけるにしても、何も常設で丸の内にいなきゃいけないという必然性が、まだお答えからはわからないんです」と語った。
JAXAの樋口副理事は、「常設でないと、ふらっと立ち寄った方が入れないという意味で、やっぱり常設については、こだわりがあります」と話した。
コーディネーターは、「100%国費に依存していてね、今のような説明は納得がまったくいかないですよね。自分たちのお金だみたいな話じゃないですか、それだったら」と語った。
仕分け人が出した結果は、廃止判定だった。
仕分け人の菊田 真紀子衆院議員は、「事業の廃止を求めます」と述べた。
下された廃止判定に、JAXA iの来場者は「えっ? ここ、終わっちゃうんですか? あらー、本当ですか? 残念ですね」、「1億円もかかっているのなら、ちょっと何かもっとできるのかなとは思います」と話した。
事業仕分け2日目、45事業のうち廃止となったのは、JAXA iの1事業のみだったが、縮減判定を下されたのは、17事業と初日を上回った。
枝野行政刷新担当相は「やはり国民の皆さんが、何よりも政治に今一番、期待をしているのは、税金の使われ方の無駄、そして不透明さを払しょくすることだと。その期待に応えられるようにがんばっていきたいというふうに思っております」と述べた。
(04/27 00:23)