環境省は、目やのどの痛みなどを引き起こす光化学スモッグの原因となる大気汚染物質「光化学オキシダント」の濃度予測システムの運用を、北海道と沖縄を除く全国各地を対象に28日から始めた。光化学スモッグは最近、発生が広域化しており、「屋外での活動、健康被害の防止に役立ててほしい」(同省大気環境課)としている。
予測図は、各地域の光化学オキシダントについて、1時間ごとの濃度分布を当日と翌日の2日間分、表示する。更新は1日1回。環境GISホームページ(http://www-gis.nies.go.jp/)で見られる。
交通量が多いなど汚染源となる場所のデータのほか、気象データなどを組み合わせ、5キロ四方の単位で計算している。これまで関東と中部、関西、九州の4地域で試みていたが、新たに中四国と東北も加わり、国内で過去に注意報が発令された全地域をカバーできるようになった。
光化学スモッグは国内で1970年代に猛威をふるったが、昨年初めて山形と鹿児島で注意報が発令されるなど、広域化する傾向にある。中国などからの越境汚染の影響が指摘されている。(山本智之)