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台湾空軍、即戦力の低さが議会で問題に
【台北=山本勲】台湾空軍戦闘機の即戦力の低さが立法院(国会)で問題になっている。国防部の基準では、配備数の75%以上が常時、出撃可能な状態でなければならないが、主力戦闘機のF16(2人乗り)で70%、旧型のF5(同)では26%にとどまっている。補修部品の欠乏が主因のようだが、中国の軍備増強が急ピッチで進んでいるだけに、現状を憂慮する声が高まっている。
戦闘機の配備数は非公開だが、民間推計によれば、F16が146機▽ミラージュ56機▽IDF128機▽F5・60機(1人、2人乗り合計)−となっている。最多のF16で30%が即戦力を欠くのは痛い。IDFは80%だが、旧型に属する。
台湾軍は26日から30日まで「漢光26号」と称する軍事演習を実施したが、立法院では27日、ミラージュの飛行演習が「天候不順」を理由に中止されたことが問題視された。
民間航空機はこの日、通常通り運航されたためで、「敵が悪天候下で攻撃を仕掛けてきた場合、どうするのか」(国民党立法委員)との批判も出た。
28日の空軍当局者説明では、ミラージュの即戦力は79%と、軍の基準を満たしてはいる。しかし、蘋果日報によれば、フランスからの部品輸入に手間取っていたかなりの期間、50%以下だったとされるだけに、悪天候による故障を避けようとしていた可能性もある。
米国の民間研究機関「国際評価戦略センター」によると、中国はロシア製や国産の新鋭(第4世代)戦闘機を年内に400機ほどに増やすとされ、すでに中台空軍の戦力バランスは中国優勢に傾いている。台湾は財源難や馬英九政権の対中接近政策で、対策が後手に回っているようにもみえる。