JAL対ANAに注目!“岡田Jウイング”争奪戦の行方

2010.01.28


2006年6月、W杯ドイツ大会へ向け、日本代表選手「SAMURAI BLUE」が貼り付けられたJALのジャンボジェット機【拡大】

 サッカー日本代表のサポーティングカンパニーの座をめぐってJALvsANAが水面下のバトルを繰り広げている。JALは2007年から2015年3月まで8年間で総額8億円の契約を継続中。経営破綻後、再建へ向けて事業縮小中のJALだが、どうしても岡田ジャパンだけは手放したくないという。(夕刊フジ編集委員・久保武司)

 W杯イヤーは世界各国で激しい“制空権”争いが行われる年でもある。4年に1度の世界最大級のスポーツの祭典への出場を決めた32カ国の航空会社として本大会の地に着陸することは、「世界に名を売る絶好のチャンス。金に換算できないPR効果がある」(航空業界関係者)という。

 日本代表とはJALが1999年からサポーティングカンパニーとして契約。2006年W杯ドイツ大会ではメンバー23人の顔を機体にプリントしたジャンボ機クラスの500席ある最新鋭機3機を導入した。あれから4年、JALは19日に会社更生法の適用を申請し、法的整理と企業再生支援機構による支援で再建を目指している。

 日本サッカー協会の犬飼基昭会長はJALとの今後の契約について、「今は静観するしかない」とコメント。田嶋幸三専務理事も「今はJALがんばれ。それしか言えない」と話した。

 15年まである契約の基本は年間1億円(推定)の契約料。JALにとって「サッカー協会は基本的に正規料金で購入してくれる上客中の上客」(別の航空業界関係者)といい、どうしても手放したくない顧客でもある。もちろん、今回の鹿児島・指宿合宿でも岡田武史監督以下、スタッフ、選手全員がJAL便で現地入りしている。

 実はJALvsANAのサッカー日本代表争奪戦は2007年に第1ラウンドがあった。「この時はANAの方が契約内容は上だった。協会幹部のOKも取れていた。しかし、最後はJALが逆転した」(協会関係者)。契約を扱う広告代理店内に「JAL派とANA派があり、最後はJAL派が寄り切った」(代理店関係者)のだという。結局、ANAはJOC(日本オリンピック委員会)と契約を結んでいる。

 JALは近日中に代理店を通じて日本協会と「(契約を)継続する意向を打診する」(関係者)といい、経営再建の一環として岡田ジャパンにすがる。一方、ANA関係者は「いつでもJAL、いやそれ以上のサポート体制は可能」と、虎視眈々とその座を狙う。

 W杯南アフリカ大会を前にした“ナショナルフラッグ”の争奪戦の行方に注目だ。