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事業仕分け最大の成果 「埋蔵金」1兆3000億円を貯め込んだ独法の正体

【政治・経済】

2010年04月30日 掲載

JR株を売却してウハウハ

「事業仕分け」第2弾の成果は、なんと言っても、独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が貯め込んでいた1兆3000億円の「埋蔵金」を国庫に返納させるようにしたことだ。財源不足に悩む鳩山内閣にとって1兆円規模の財源は大きい。
 国交省が所管する、この機構の前身は「国鉄清算事業団」。主な業務は、旧国鉄職員への年金支払いである。驚くのは、巨額の赤字を背負っていたはずの「清算事業団」が、いつの間にか「超優良」の独立行政法人に生まれ変わっていたことだ。
 清算事業団は1987年、25兆円の債務を背負ってスタート。ところが債務を減らすどころか98年、債務を28兆円に膨らませて解散。その後は、鉄建公団となり、03年の特殊法人改革に伴って、現在の姿になっている。
「清算事業団がピカピカの独立行政法人になったのは、28兆円の債務のうち24兆円を国が肩代わりすることにしたからです。5500億円の国庫補助金も交付された。そのうえで、JR株や旧国鉄の保有地など、優良資産を受け継いだ。利益剰余金が1兆3000億円にまで膨れ上がったのは、JR株や保有地を次々に売却したからです。純資産は2兆3271億円に達している。要するに、国民の税金によって超優良な組織に生まれ変わったわけです。もちろん、理事長は国交省の天下りです」(霞が関事情通)
 さすがに、会計検査院も1兆3000億円の剰余金を問題にし、08年11月「これまで国鉄の債務処理のために一般会計が負担した多額の債務等にかんがみて……」と、報告書を作成したほどだ。事業仕分けでは、「年金運用で損失が出た場合に備えて剰余金が必要だ」と抵抗していたが、1兆円も備えが必要とはよくぞ言えたものだ。探し出せば、似たような独立行政法人がまだまだあるのではないか。
~2010年04月30日以前の記事~