哨戒艦沈没:陸海空軍がバラバラの合参本部(下)
合同作戦参謀部長に陸軍6人、空軍1人、海軍からはなし
一部では、合同参謀本部が陸軍関係者を中心に構成されているため、合同参謀本部での勤務経験がない担当者が作戦分野での要職を占めていることも問題視されている。天安沈没に伴う軍の対応と船首・船尾の捜索、および引き揚げ作業で最も重要な役割を果たしている合同参謀本部の合同作戦本部は、本部長(陸軍中将)の下にある七つの参謀部署と参謀部長のうち、空軍の一人を除いては6人すべてが陸軍関係者だ。海軍が中心となって行う天安沈没関連作業について、しっかりと理解した上で指揮するには限界があることは当然だ。
とりわけ今回の事件で中核的なラインとなる合同参謀議長-合同作戦本部長-作戦参謀部長(少将)-作戦処長(准将)-合同作戦課長(大領)のうち、合同参謀本部で勤務した経験があるのは作戦本部長だけだ。合同作戦課長は中領時代に1年間、合同参謀本部に勤務した経験があるという。ある予備役将校は、「合同参謀本部での勤務経験がない場合、他軍との合同作戦に対する理解に欠けるという事態が発生しやすい」と指摘する。国会国防委員会所属の李允盛(イ・ユンソン)=ハンナラ党=議員室の資料によると、昨年末の時点で合同参謀本部の統括担当課長(大領クラス)75人は全員が陸軍所属で、海軍と空軍関係者は一人もいなかった。
これらの問題を改善するため、専門家は「陸海空各軍の教育訓練や人事制度を改善する必要がある」と指摘する。現在、3軍の少領昇進候補者は、各軍の大学で3週間から4週間にわたり、自軍中心の合同作戦に関する基礎教育を受けることになっているが、これは米国やドイツなど先進国に比べると期間が非常に短く、対象者も少ない。職業軍人にとって敏感な問題である昇進審査権の一部を国防部や合同参謀本部が行使しない限り、自軍中心主義は改善されないという指摘もある。現在は各軍の参謀総長が実質的な昇進権を有するため、国防部・合同参謀本部・韓米連合司令部・大統領府などで勤務していても、3軍間の協力以上に、各軍の本部がある鶏竜台と母軍の上官の顔色をうかがう結果になるということだ。
合同参謀本部は作戦や情報などの軍令権、各軍本部は軍政権を有するという、画一的に区分された現行システムの改善が必要と指摘する専門家もいる。
その上、陸海空の各軍と合同参謀本部との利害関係も激しく対立しているため、これらの改善策が実行に移されるには、克服すべき課題も多い。金盛賛(キム・ソンチャン)海軍参謀総長が先月26日に合同性強化大討論会で発言した内容は、韓国軍の現在の状況を象徴的に示したと評されている。
金参謀総長は「合同性を強化するという大義には賛成するが、一方では韓国軍に対してカモのようになることを求めているようにも聞こえる。カモは水面で泳ぎ、地上では歩き、空を飛ぶこともできる。しかし実際には、軍は海ではサメのように、地上ではトラのように、空ではワシのように戦わねばならない」という意味合いの発言を行った。
■合同性(Jointness、統合作戦)
軍事力を効果的に統合し、陸海空における戦闘力の相乗効果を最大限に引き出すことを指す。米合同参謀議長を務めたウイリアム・オーウェンス氏はこれについて、「各軍の強みを適切に組み合わせ、統合された戦闘力を高めること」と定義した。空中ではワシ、地上ではライオン、海ではシャチのように闘いながら、これらの動物を統合させて「多次元同時統合戦闘」を行使する軍として生まれ変わらなければならないというのが、軍で議論されている合同性強化のポイントだ。
ユ・ヨンウォン軍事専門記者
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