口先介入でウォン相場反落、1110ウォンに

 企画財政部のキム・イクジュ国際金融局長は27日、一部メディアに対し、最近のウォン高傾向について、「為替レートが急激に変動した場合には、市場の安定を期すため適切な措置を取る」と口先介入を行った。この結果、ウォン相場は前日より6ウォンのウォン安ドル高となる1ドル=1110.10ウォンに反落して取引を終えた。

 キム局長は「市場では現在、ウォン高傾向が行き過ぎている。ウォン高にはさまざまな要因があるが、既に十分に反映されており、上昇ぶりは妥当な水準を上回っていると判断している」と述べた。

 最近のウォン相場は、来週のサムスン生命上場を控え、株式市場に多額の資金が流入するとの観測に加え、ギリシャが国際通貨基金(IMF)に支援を要請し、国債の償還問題が解決したという安心感がウォン高に拍車をかけた。急激なウォン高を受け、為替当局は2日間で20億-25億ドルと推定されるドル買い介入を行ったとみられる。

 為替当局は、心理的抵抗線の1100ウォンを割り込めば、ウォン高がさらに進行しかねないと判断しているもようだ。

 サムスン経営研究所のチョン・ヨンシク首席研究員は「中長期的に1100ウォン割れを防ぐのは難しいとみられる。政府も行き過ぎた市場介入によるコストを負担しなければならず、主要20カ国・地域(G20)サミット議長国という立場もあるため、ウォン高傾向を完全に変えるのは困難ではないか」と指摘した。

イ・セヌリ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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