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【ドラニュース】


大島、先制打!2安打!初お立ち台!!

2010年4月29日 紙面から

中日−巨人 ドアラに教えられ、ぎこちなくファンの声援に応える大島=ナゴヤドームで(由木直子撮影)

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 ドラゴンズがうっぷん晴らしに成功だ。28日の巨人戦(ナゴヤドーム)。ルーキーの大島が2本の適時打を放てば、ベテラン和田は3打数3安打。2人で5打点をマークし、チームとしては8点をたたき出した。完封負け翌日の猛攻により、巨人戦の連敗は3でストップ。スッキリしたところで、29日も勝ちたい。カード勝ち越しだ。

 立場も年齢もまるで違う。ベテランの和田とルーキーの大島。一緒のお立ち台に上がったことが打線のつながりを象徴していた。チームの根幹である主力、枝葉の若手がともに打った証し。本塁打は出なくとも今季最多タイの8点を奪った。

 「ナゴヤドームはファンの方が熱いですし、本当に気持ちいいです」

 自身初のお立ち台で初々しい表情を浮かべた大島。強固な巨人投手陣にようやく風穴を開けた。0−0の2回2死二塁、ゴンザレスの変化球を左前へ先制タイムリー。「(打ったのは)チェンジアップ。集中して打席に立ちました」。対巨人戦は前カードの11日の2回以降、ゼロ行進が続いていたが、19イニングぶりに得点を奪った。

 若手が開けた風穴に主力がなだれ込む。代表格はお立ち台の和田。3安打3打点の大暴れだった。3回1死で中前タイムリー。2点リードの7回は無死満塁で初球を振り抜き、左翼フェンス直撃の2点二塁打。試合を決定づけた。「大事な場面だと思って打席に立ちました。いい形で振ることができました」。昨季の中日戦で4勝0敗だった難敵・ゴンザレスに屈辱を味わわせ、貯金は再び2となった。

 開幕から打線が思うようにかみ合わなかった。この日の1番打者から5番打者、さらに谷繁を加えた主力6人の打率は3割1分9厘。それ以外の選手は打率1割8分8厘だった。主力と若手という車の両輪がなかなか同時に回転してくれなかった。

 だから首脳陣は手を尽くした。落合監督は試合前、和田に直接指導した。「バットの軌道が悪くなっているぞ」。オープン戦で結果を残した大島をあえてファームに落とし、徹底的に振り込みを指示したことも。「あの若いの(=大島)があそこでよく打った。いい放牧だったんじゃない」とは試合後の指揮官。各コーチ陣も親身に指導を重ねる。そんな首脳陣に選手が応えた。つながった。3回には15日の横浜戦以来、94イニングぶりの4連打も飛び出した。

 今季の開幕直後、落合監督が「この打線を動かすのは真ん中だ。実績のある3、4、5、6番(当時は井端)。ここにどうやって周りが引っ張られていくのか」と話したことがあった。そんな指揮官の言葉が開幕から29試合目に体現された。

 巨人戦の連敗は「3」で止まった。今季初の完封負けを喫した前夜の悔しさも、少し晴らした。「本当に悔しい思いをしていました。これがきっかけになれば」と和田は選手の気持ちを代弁するように話す。主力という太い幹に、若手という枝が加われば立派な樹木になる。これが続けばきっと、秋には優勝という最高の果実が実る。 (清水裕介)

 

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