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ワンルームマンション ガラガラのお寒い実情

【政治・経済】

2010年04月26日 掲載

仕送り激減、都会を敬遠、ルームシェアにシフト

●心配なのは投資したサラリーマン
 ワンルームマンションが最近、ガラガラだという話をよく耳にする。次の人が半年見つからないのはザラらしい。
「当初、ワンルームマンションの空き室が目立っていたのは地方都市でしたが、この傾向が東京都心にも及んできました」
 都内の不動産関係者がこう話す。今年になって、都心沿線の物件の動きが鈍くなっているという。
「賃料を10%、15%下げても、入居者が集まらないケースもあります」(前出の不動産関係者)
 ひところ、一人暮らしの若い人を中心にワンルームマンションがもてはやされた。隔世の感があるという。
「賃料を下げても人が入らないというのは、親元の仕送りが大きく減っているためです。以前は、1人当たりの仕送りが10万円というのは珍しくなかった。ところが、リーマン・ショックなどの大不況で、そんなお金を送れなくなっているのです」(SMBCフレンド証券の中西文行氏)
 たしかに1カ月の家賃は、都心部で7万円から10万円はかかるからアップアップだ。
“地元志向”が急増していることも見逃せない。進学先を学費や生活費が安い地元の国公立大学にしたり、就職先も都会ではなく親元から通える会社を選ぶ子どもが増えている。リストラなどで実家に戻る若者もいる。都市に向かう若者が少なくなっているのだから、ワンルームマンションの部屋が空くのも当然ではある。
「ルームシェア」が若い人の間で急速に浸透している影響もある。たとえば、東京の都営三田線・白山駅から徒歩5分のところで1カ月3万円を切る募集があるし、渋谷・恵比寿の人気スポットで2万円台というケースもある。ワンルームマンションからルームシェアへという流れが確実に起きているのだ。
 ワンルームマンション離れがもっとひどくなると、サラリーマンに飛び火する。一時期のワンルームマンション投資ブームに乗って購入した人が多いからだ。「入居者の心配はない」とか「賃料保証システムがある」という営業トークを信じて投資した人もいるはずだ。「老後の生活の足しに」という願いが裏切られなければいいのだが……。
~2010年04月26日以前の記事~