◇…スポーツ報知の購読申し込みは、フリーダイヤル 0120-16-4341(イロ ヨミヨイ) まで…◇
◇…過去の記事は、ご使用のプロバイダのデータベース・サービスをご利用ください。…◇
文字サイズ100%
建て替えのため今月いっぱいで閉館する東京・東銀座の歌舞伎座で行われていた「御名残四月大歌舞伎」が28日、千秋楽を迎えた。あいにくの雨模様の中、早朝から多くの歌舞伎ファンが駆けつけ、多くの千両役者とともに“歌舞伎の殿堂”の閉幕を名残惜しんだ。29日に関係者による「修祓(しゅうばつ)式」、30日には「閉場式」が行われ、約60年の歴史にピリオドを打つ。
「夢や思い出が、詰まっているから。寂しくなっちゃうね。でも、新しい歌舞伎座で、もっともっと夢を見せてもらいましょうよ」。最後の演目である歌舞伎十八番の一つ「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」。歌舞伎俳優の中村勘三郎(54)が、自らのせりふに盛り込んだ言葉は、舞台に上がったすべての俳優の、そして客席を埋め尽くした観客全員の気持ちを代弁していた。
1951年に開業して以来、約60年にわたる“歌舞伎の殿堂”。その別れに名残を惜しむファンが、涙を流すかのように開演時は雨。だが、来場客ばかりでなく通行人をも巻き込んだ熱気が、雨粒を吹き飛ばした。カメラを手に、思い思いの場所で記念撮影をする人、また人で、劇場前はあふれかえった。
昨年1月から16か月にわたって行われた「さよなら公演」の最後にふさわしく、4月は2日の初日からの27日間、全日満員御礼。松竹関係者が「長い歴史の中でも、いちばんの盛況だと思います」と話す16万人以上を動員した。オールキャストといってもいい公演の“本当の最後”を堪能した。
29日には、歌舞伎にかかわるスタッフが全員出席し、歌舞伎座と過去の役者たちの霊を弔う「修祓式」が、30日には「閉場式」として、舞踊の舞台と口上、手締めが行われる。その後、2013年春の完成を目指し、新しい歌舞伎座の建設工事が始まる。歌舞伎は、木挽町(こびきちょう=歌舞伎座完成当時の地名)から、しばしのお別れとなるが、この間は新橋演舞場を中心に各地で公演を行う。
歌舞伎がなくなるわけではない。助六を演じた市川團十郎(63)が、最後に花道で響かせた足音。それは、すべての歌舞伎俳優が、3年後の未来に向かって、一歩ずつ突き進んでいく歩みの音に聞こえた。
◆歌舞伎座 東京・中央区銀座にある劇場。1889年11月に開場され、1914年に松竹の直営劇場となる。21年の漏電事故、23年の関東大震災、45年の東京大空襲と、3度の全焼と復興を経て、現在は4代目の建物。戦後は51年に演劇興行が再開された。かつて歌舞伎以外の興行も行われていたが、93年からは歌舞伎専用の劇場に。2002年、国の登録有形文化財に指定。10年4月末で休館し、新築工事が行われる。新しい建物は、13年春の完成を予定。
(2010年4月29日06時03分 スポーツ報知)
国内最大規模の携帯ニュースサイト。スポーツニュース速報のほか、旬の社会、芸能ニュースも満載。月額84円(税込)
巨人軍公式サイト。待ち受け画像や注目の選手情報など、シーズンオフも必見。「NEWS読売・報知」の全コンテンツも利用できて月額210円(税込)!
翌日朝掲載の釣果情報を当日夜に配信。厳選した指定船宿と協力店からの正確な情報や、船宿の自慢料理・仕掛けなど、実用的なメニューもご用意。月額210円(税込)
携帯初の競輪予想情報。グランプリやダービーはもちろん、関東・南関東を中心に各レースを徹底予測。月額210円(税込)