社会
Kiss‐FMが破綻 放送は継続
民事再生法の適用を申請し、記者会見するキッス社の横山剛社長(左)ら=神戸市中央区波止場町(撮影・大山伸一郎) |
粉飾決算疑惑が浮上し、役員解任など経営が混乱していたFMラジオ局「Kiss‐FM KOBE」(神戸市中央区、キッス社)は28日、民事再生法の適用を神戸地裁に申請し、経営破綻(はたん)した。同地裁から同日、保全命令を受けた。キッス社によると、負債は判明分だけで約6億7千万円。今後、スポンサーを得て再建を目指すという。
FM局の破綻は、2008年のエフエム九州(北九州市)の例があるが、全国的にも極めて珍しい。キッス社に対しては同日、番組を配信している全国FM放送協議会(JFN)が30日付での除名を通知した。JFNは5月末までは番組を提供するとしており、同局の放送は継続できる。
キッス社の横山剛社長(44)らは神戸市内で記者会見。簿外を含む債務が疑われる上、資金繰りが逼迫(ひっぱく)していたなどとして「現状のままでは再生は不可能」と説明した。
5月中旬をめどに事業の譲渡先を決めた後、約半年間で現経営陣が再生計画を立案し、債権者の了承を得る方針。譲渡の具体的方法は決まっていないが、その対価を債務の弁済に充てるという。
横山社長は「スポンサーのめどは付いていないが、地元企業などと交渉したい」とした。スポンサーが現れない場合は横山氏側が引き受ける考えも示した。大株主のエフエム東京も支援の可能性を示唆した。株主責任については「負ってもらう形を考えたい」とした。横山社長は「多くの方に迷惑を掛けることを深くおわびし、地元に愛されるFM局として再生したい」と話した。
一方、社長を解任された株主総会の無効を訴え、神戸地裁に提訴した相田勲氏(50)は「社長はまだ自分であり、横山氏の法的手続きは明らかにおかしい」と話した。
【Kiss‐FM KOBE(キッス社)】1989年、兵庫、大阪の全域をカバーする独立FM局として開局。業績悪化で2009年末に第三者割当増資を計画。しかし、大株主のエフエム東京が、割当先企業の株式登記の手続きを問題視し、神戸地裁から株主総会での議決権行使を禁じる仮処分が下された。4月の臨時株主総会で当時の経営陣を解任し、エフエム東京常務ら3人の新役員選任を決議。これに対し解任された社長らが「総会は無効」とし、対立が続いている。
(2010/04/29 00:20)
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