康津郡、産婦人科誘致あきらめる

「医師の要求受け入れられない」

 全羅南道康津郡の「産婦人科誘致作戦」は失敗に終わった。

 同郡は合計特殊出生率(15‐49歳の女性が一生の間に生む子供の数の平均)全国1位を誇る地域だが、産婦人科病院・医院がなく、妊婦は1時間以上離れた光州市や木浦市などで出産しなければならない。このため、同郡は先月末、建物を無料で貸し、月1000万ウォン(約85万円)の固定収入を保障するという破格の報酬(年4億ウォン=3400万円相当)を掲げ、産婦人科病院・医院の公開誘致に踏み切った。

 ところが誘致は失敗。その理由は、医師の過度な要求で財政に負担がかかるためだった。産婦人科医14人が関心を示したが、ほとんどが既に提示した破格の条件以外に、アシスタントの医師一人と看護師6人(3交代基準)の人件費、10億ウォン(約8500万円)を上回る医療設備の購入費用、内装工事費まで要求した。同郡としては受け入れがたい条件だった。

 結局、同郡は現在ある康津医療院内の産婦人科施設を拡充、専門医を一人補充し運営する方針に切り替えた。康津医療院には現在、経験があまりない産婦人科公衆保険医が一人、勤めている。

 医療関係者は「康津郡の誘致失敗は、地方で産婦人科病院を維持するのがどれだけ難しいかを示している」と話している。

李仁烈(イ・インヨル)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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