哨戒艦沈没:韓国軍指揮官の移動・連絡手段とは
米軍司令官は公務で移動の際、ホットライン維持のため通信兵が随行
3月26日、哨戒艦「天安」が沈没し始めた時刻は午後9時22分だったが、合同参謀本部の李相宜(イ・サンイ)議長が初めて報告を受けたのは、49分後の午後10時11分だった。李議長は大田から韓国高速鉄道(KTX)でソウルに移動中で、携帯電話で状況統制を行うしかなかった。KTXを止めてほかの移動手段に乗り換えるわけにもいかず、携帯電話以外の通信手段がなかったからだ。軍関係者は、「夜間のヘリコプターでの移動は危険な上、 燃費が高く、『グリーン成長』時代にそぐわないとの指摘が出ることを考慮し、公共交通手段をよく利用している」と語った。同関係者はまた、「軍用無線機より携帯電話の方が電波がよく届くため、前線でも携帯電話で連絡を取るケースが多い。保安上の問題はあるが、迅速な接触のためには携帯電話ほど優れたものはない」と話した。
この日、合同参謀本部議長がKTXを降り、合同参謀本部指揮統制室に到着した時刻は、事故発生から1時間20分が経過した午後10時42分だった。ほかの指揮官らが指揮統制室に到着した時間は、海軍参謀総長が9時51分、海軍作戦司令官が9時44分、第2艦隊司令官が9時38分だった。このすべての状況を総括すべき最高指揮官が、1時間近くも遅れて到着したのだ。
海外では、軍の最高指揮官が公共交通手段である民間の列車で移動するケースはないという。ウォルター・シャープ韓米連合司令部司令官は、移動時間短縮のために、主に航空機や軽飛行機、ヘリコプターなどで移動する。京畿道地域へは主にヘリコプター、群山や大邱、釜山などやや遠い場所へは軽飛行機で移動するという。
米軍は司令官が移動する際、遠距離の場合は通信兵一人が常時随行し、緊急事態でも非常通信網を通じ指揮できるようにしている。ソウル市内では主に副官が随行し、この際は主に携帯電話を使用する。米軍関係者は、「公務で行動する際は通信兵が必ず同行する。ほかの指揮官はともかく、駐韓米軍の最高司令官は24時間ホットラインを維持している」と語った。韓米連合司令部の関係者は、「シャープ司令官は『天安』の事故に関連し、指揮官会議のために渡米する際、烏山までヘリコプターを利用し、専用チャーター機で米国に移動した」と語った。
- 16日、国防部ブリーフィング室にて。金泰栄国防長官の右に立っているのが李相宜合同参謀本部議長。/写真=チェ・スンウ記者
キム・サンミン記者
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