哨戒艦沈没:海洋警察に救助を要請する海軍(下)
海でおぼれる将兵、米軍は人工衛星で捜索
海軍の作戦準備態勢について根本的に反省すべきだ、という批判もある。既に昨年11月と12月に合参主管の戦術討議が行われた際、敵潜水艦や半潜水艇による挑発の可能性があるという指摘が出ていた。にもかかわらず、これに関する対策が不足していたということを、今回の天安沈没事故は物語っている。ある軍事専門家は、「接敵地域で動くときは警戒態勢を格上げしておかなければならないが、何人もの将兵が下着姿や私服姿で救助されたほか、事故直前まで多くの将兵が携帯電話で外部と話をしていた。この事実は、海軍の危機管理体制が緩んでいたのではないか、という疑問を抱かせる」と語った。
非常脱出の手順を踏む退艦訓練も、その機能を果たせなかった。海軍のマニュアルによると、防水作業が不可能な場合を仮定し、退艦訓練が行われる。退艦準備命令→遭難・救助の電報発送と個人の持参物・搬出物の準備→退艦人員・準備状態の確認→艦内捜索→退艦指示下達-という手順だ。しかし、今回のような極めて非常な緊急事態に対する訓練は、事実上行われていなかった。ある予備役の海軍兵は、「通常の退艦も、ツキがなくなるといってあまりやらない」と語った。また交戦状況では必須となる、電気・通信の途絶に対する備えもなかった。天安の艦長は事故直後、携帯電話で状況を報告しなければならなかった。
海軍上層部である参謀総長、作戦司令官、合参次長はいずれも海軍士官学校の同期だが、それでも事故を収拾する過程での役割分担が微妙に食い違っている、といううわさも出ている。
また、海軍の戦力増強の方向が誤って設定された、という指摘も出ている。尹徳敏(ユン・ドクミン)外交安保研究院教授は、「潜水艦を捕捉できる最新型のソナーは、ソマリアに派遣されている大洋海軍用艦艇のような大型艦だけにある。西海(黄海)の哨戒艦が装備しているソナーは旧型で、潜水艦を捕捉できないため、北朝鮮の脅威には十分に対応できない」と語った。また軍関係者は、「天安のソナーは性能が低く、作戦時には電源を切っているという話もあった」と伝えた。
合参は、「今後、警備艦艇(高速艇)に応急措置が可能なRIBを搭載すると同時に、水中自動位置発信装置などを導入する方針だ。また、救助戦力を現代化し、救助訓練も強化する」と語った。
李衛栽(イ・ウィジェ)記者
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