昨年7月の豪雨災害での防災面の課題を探る「防府市豪雨災害検証委員会」。その3月末の会議で、事務局から「行く先々でマスコミの取材を受け、災害対応に支障が出た」との声が出て、少し引っかかった。
うるさい存在に見られることも多いマスコミだが、自身の好奇心を満たそうという欲のために動いているわけではない。質問する我々よりも、さらにその向こうにいる読者、つまり市民の顔を思い浮かべながら、積極的に情報提供に努めてほしいと思う。今回の災害に限らず、日ごろから、行政や観光などに関するマスコミ対象のレクチャーが少ないと感じていたところだ。
最終的に、会議では「報道機関専用の区域を設けると同時に広報班を編成し、定期記者会見を開く」との対策が決まった。まずは第一歩と評価したい。【脇山隆俊】
〔山口版〕
毎日新聞 2010年4月27日 地方版