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【甦れ!! ニッポン】第2部(1)廃部はけじめ!? 肩身の狭さ浮き彫りに (2/2ページ)
過去3年間で選手が触れ合った子供たちの数は約2万人にのぼり、「企業内のクラブ活動にとどまらず、潜在的なJALファンを拡大してきた。運営費に見合う効果はあったと自負している」と渡辺智部長。営業部門からは廃部に難色を示す声が多かったという。
一方で「廃部は国民へのけじめ」という声も聞こえてくる。思い出されるのは、公的資金の投入を受けた銀行がスポーツ部の強化から手を引き、保養施設を軒並み売却した2000年前後の惨況。同じ道をたどるラビッツは、改めて企業スポーツの肩身の狭さを浮き彫りにする。
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運営費の2割削減を掲げたラストシーズン。チームは昨季から4人減の12人体制で臨む。岩村裕美主将は「お世話になった方々に感謝を込めて、優勝を目指したい」。選手の口から出るのは「もう1年できる」という感謝の言葉ばかり…。
スポーツデザイン研究所(東京都渋谷区)の調べによると、91年から08年までの間、業績不振などに伴う企業スポーツの休廃部は324を数えた。昨年は日産自動車の硬式野球部、西武鉄道のアイスホッケー部が歴史に幕を下ろした。西武の撤退では、韓国と中国を巻き込んだアジアリーグの存続も危ぶまれた。
今回の余波も大きい。WJBLが来季のリーグ戦開催地を募集する10月までに、ラビッツの引き受け先が見つからなければ、1リーグ制を視野に入れた再編へと飛び火する恐れもある。これはラビッツの荒順一監督の慨嘆。「ひとつの企業が倒れると危うくなる日本のスポーツ文化って、寂しいですね」−。
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スポーツを取り巻く現状を年間を通して追う「甦れ!! ニッポン」。第2部では、衰退傾向が叫ばれて久しい企業スポーツの現場から報告する。