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【格闘技】

西岡に芸大学長トロフィー 4・30 4度目防衛リングで贈呈

2010年4月28日 紙面から

西岡に贈呈される東京芸術大・宮田学長が制作したイルカとグローブをモチーフにしたトロフィー

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 WBC世界スーパーバンタム級王者西岡利晃(33)=帝拳=に新たな勲章だ−。4度目の防衛戦(30日、東京・日本武道館)のリング上で、東京芸術大学宮田亮平学長(64)が制作した特別トロフィーを贈呈されることが27日、分かった。西岡は昨年5月、日本人24年ぶりとなる海外防衛に成功し、日本ボクシングコミッション(JBC)からコミッショナー特別功労賞を受賞。JBCは東京駅「銀の鈴」(4代目)を制作した宮田学長に特製トロフィーの制作を依頼していた。

 構想制作11カ月。宮田学長こん身の作品がついに完成した。「スポーツ選手のトロフィーにかっこいいものがない。面白いと言われるもの、笑顔が浮かぶものをつくりたかった」。トロフィーはアルミ合金と金箔(きんぱく)でできており、高さ65センチ。2頭のイルカが励まし合い、天に向かってグローブをささげている。

 宮田学長は昨年10月、西岡の3度目の防衛戦を観戦。西岡の美しいボクシングスタイルとイルカのフォルムが重なり合った。「西岡選手の試合には愛がありました。強さ、優しさはイルカと一緒。もちろんイルカがボクシングをできるわけはない。でもイルカとボクシングはミスマッチでもない。作品を見た瞬間に笑顔が浮かぶでしょ。最近にない傑作だと思います」。西岡とイルカ。独特の表現で二つを結び付けた。

 これまでJBCはチャンピオンベルト、チャンピオンリング以外を贈呈したことはない。コミッショナー特別功労賞とはいえ、“プレゼント”は異例中の異例だ。JBC安河内事務局長は「それだけ海外防衛を高く評価しているということ。きっと喜んでくれると思います」と話した。試合前のリング上で特製トロフィーを手渡す予定だ。

 この日、東京都内で予備検診に臨んだ西岡は終始リラックスムード。挑戦者バンゴヤンと初対面した。「思ったより小さいなと。特に何も感じなかった。こちらは絶好調です。すごく調子がいい」とキッパリ。もはや芸術の域に達した西岡のボクシング。イルカのような強さと美しいスタイルでKO防衛を果たす。

 (森合正範)

 

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