けんかに明け暮れた日々はもう終わりだ。茶髪を染め直して新弟子検査に臨んだ森将貴(17、佐賀県武雄市出身、)は親孝行するため入門を決意した。
やんちゃをしていた中学3年生のときに、佐賀まで訪ねてきたのが大嶽親方(元関脇貴闘力)だった。実は森の父重文さん(56)が、入門を希望する手紙を大嶽親方に書いていた。
親方は当時をこう振り返る。「お父さんから手紙がきた。一人前にさせてくれないかということだった」。
中学卒業後も「遊んでました。親のお金で」と定職に就かずブラブラしていたが「自分は何をしてるんだろう」とふと振り返り、大嶽親方のスカウトを思い出した。「ああ、相撲があった」。今度は自分から親方に電話して入門を願い出た。
「親孝行は何でもやってあげたい。出世して何か買ってあげたいというのもあるけど、立派になった自分を見せたい」と森。ありあまる力を土俵にぶつけていく。(岸本隆)
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