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「起訴相当」でも小沢幹事長辞めない

 幹事長室を出て廊下を歩く民主党の小沢幹事長=27日正午ごろ、国会
 幹事長室を出て廊下を歩く民主党の小沢幹事長=27日正午ごろ、国会

 小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる収支報告書虚偽記入事件で、東京第5検察審査会は27日、政治資金規正法違反の罪で告発され、嫌疑不十分で不起訴となった小沢氏について「起訴相当」と議決した。市民から選ばれた審査員11人全員一致の議決。小沢氏は「検察の捜査で(既に)不起訴になっている」と幹事長続投を表明したが、再び同様の議決が出れば「強制起訴」されることになり、辞任論の再燃は避けられない情勢だ。

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 議決は「小沢氏と元秘書らとの共犯関係の成立が強く推認される」とした上で、「『秘書に任せていた』と言えば、政治家本人の責任は問われなくて良いのか。市民目線からは許し難い」と批判した。

 東京地検特捜部は再捜査に乗り出すが、再び不起訴としたり、原則3カ月以内に処分を出さなかったりした場合は、審査会で自動的に再審査。8人以上で「起訴議決」をすれば、東京地裁指定の弁護士が小沢氏を強制起訴し、公判も担当することになる。小沢氏は幹事長続投を表明したが、進退問題再燃は必至。鳩山由紀夫首相の資金管理団体などの収支報告書虚偽記入事件は別の審査会が首相を「不起訴相当」としたが、政権運営に影響を与えそうだ。

 議決は、収支報告書の記載や提出を担当者らに任せていたとの小沢氏の供述について「きわめて不合理、不自然で信用できない」と判断。土地購入直後に小沢氏が銀行への融資申込書に署名、押印していることを「購入原資を隠ぺいするための執拗(しつよう)な偽装工作」と断じた上で、「元秘書らが絶対権力者の小沢氏に無断で工作する必要も理由もない」と指摘した。その上で、小沢氏と元私設秘書の衆院議員石川知裕被告(36)=規正法違反の罪で起訴=らの共謀関係について「成立が強く推認される」と結論付けた。

 さらに「小沢氏を起訴し、公開の場で真実の事実関係と責任の所在を明らかにすべきで、これこそが善良な市民としての感覚だ」と異例の言及をした。関係者によると、審査会は今月、計4回開かれた。6日には捜査を担当した検察官の説明を受けたという。






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