検察側は「再犯の可能性があり、社会にも大きな悪影響を与えた」として懲役2年を求刑。弁護側は「深く反省し、更生を誓っている」として執行猶予を求め、即日結審した。判決は5月12日。
検察側は冒頭陳述や論告で、「覚醒剤は昨年2、3月ごろから、コカインは今年1月中旬から使用するようになった」とした上で、「密売人の連絡先をしょうゆせんべいに書き、警察官から職務質問を受けそうになるとこれを食べて隠滅した」と、悪質性を指摘した。
また、中村被告がかつて大麻取締法違反罪で執行猶予付き判決を受けたことを明らかにし、「規範意識が欠如している」と批判した。
被告人質問で中村被告は、「覚醒剤は疲れがとれると聞き、興味本位もあって使い始めた」と動機を説明。「いろいろ仕事で悩んでいたことも確かにあるが、それは直接は関係ない」と、仕事上のストレスが原因ではないとした。
中村被告は、覚醒剤粉末をオブラートに包んで飲み込む方法で、コカインは鼻から吸う方法で使用していたが、「思っていたほど効果はなく、コカインを使った際は鼻血が出たり、鼻水が止まらなくなったりした」とも話した。
また、昨夏に女優の酒井法子(39)ら芸能人による薬物事件が相次いだことなどについて検察官が言及すると、「(昨夏には)すでに覚醒剤を使っていたので、(報道を)なるべく見ないようにしていた。自分の部屋で一人でやっていれば、絶対に捕まらないと安易に思っていた」と答えた。
公判には、中村被告と長年交際しているタレント、矢野きよ実さん(48)も弁護側証人として出廷。「彼の寂しさや辛さを分かってあげられず申し訳なく思っている。今後は一緒に生活して更生させたい。どうか彼がやり直すチャンスをください」と訴えた。
起訴状によると、中村被告は3月8日ごろ、港区の駐車場に止めた乗用車内で覚醒剤を飲み込んで使用。9日には、車内で覚醒剤を、練馬区の自宅マンションで覚醒剤とコカインを所持したとされる。