長渕剛、藤原竜也を３０周年ＤＶＤナレーターに指名

　シンガー・ソングライターの長渕剛（５３）がデビュー３０周年のドキュメンタリーＤＶＤを製作し、俳優・藤原竜也（２７）がナレーションを務めた。このほど都内で行われた収録に参加した長渕は「腹違いの弟みたいだ」と藤原に愛用のギターをプレゼント。長渕の大ファンの藤原は“タッグ”結成に「危険なぐらい格好いい」と興奮しっぱなしだった。

　２人は０７年のライブ共演以来、約３年ぶりの再会を果たした。藤原をナレーターに指名したのは長渕。「声に魅力がある。即決だったよ」。藤原はあこがれだった長渕との“合体”に「本当に僕でいいのか、もう一回確認してくれとマネジャーに言った」と少年のような表情で喜んだ。

　ＤＶＤは長渕が昨年行った３０周年記念ツアーに密着したドキュメントで、ボックスセット「３０ｔｈ　Ａｎｎｉｖｅｒｓａｒｙ　ＢＯＸ　ｆｒｏｍ　ＴＳＵＹＯＳＨＩ　ＮＡＧＡＢＵＣＨＩ　ＰＲＥＭＩＵＭ」（６月９日発売）に封入される。ナレーション収録には長渕が立ち会い、デビュー３０年間の思いが凝縮された映像に、２７歳の若い息吹が吹き込まれた。「もうちょい淡々と」などと藤原に指示を出し、約３時間、和やかな雰囲気の共同作業。

　収録後、長渕は「３０周年をくくる転機で、はせ参じてくれてうれしい」と喜び「腹違いの弟みたいだ」と親しみを込めた。「目がきれい。青年の、少年の瞳」と魅力を挙げ、隣で聞いていた藤原は「今の気持ちのまま帰りたい。本当に危険なぐらいかっこいい」と笑顔をみせた。

　藤原にとって“長渕原体験”は小学生の時。父や兄の影響で「ろくなもんじゃねえ」を歌っていた。「ロンドン（公演）で『いつかの少年』を聴きたくなった。その時その時、聴きたい歌が違う」とファン目線で話した。

　出会いは０１年、長渕のライブの楽屋だった。２人の共通点を長渕は「ふつふつとしている。中身は刃物持っているぜ、みたいな」と“魂”の部分に見いだした。「必要なときは、いつでも兄貴として、はせ参じる。共に闘おうな」とタッグ結成を誓い、遠ざかっている俳優業にも「やりたいね、一緒にね」と共演を呼びかけた。

　長渕は、昨年のツアーで使ったアコースティックギターをプレゼントし、即興の詞とメロディーで師弟関係を歌った。興奮する藤原にメールアドレスを手渡し、絵文字入りでのメール交換を約束した。

　ＤＶＤのラストシーン。「３０年、走り続けて手にしたものは？」との問いに長渕は「絆（きずな）だよ…」と答える。この日の２人に２６歳の年齢差を超え、固い絆が芽生えた。

　◆８１曲５００分以上　○…長渕の３０周年記念ボックスセットはＤＶＤ３枚とＣＤ３枚の超豪華版で、価格は３万１５００円（税込み）。ＤＶＤは、ドキュメントに加え昨年のアリーナツアーと弾き語りツアーをそれぞれ収録。ＣＤは弾き語りツアー２０公演の中から選んだ名曲ぞろいのライブアルバムで、ＤＶＤ・ＣＤ合わせて８１曲、総時間５００分以上の特大ボリュームだ。
  長渕はパッケージのデザインにもこだわった。「３０年を共有してきたファンの方たちとプレミアムなものを作りたい。自分も気に入りたいから」と、３０年間支えてくれたファンへの恩返しの気持ちを形に表したという。