2010年4月28日16時32分
来春閉館するグランドプリンスホテル赤坂。壁面を使った巨大クリスマスツリーのライトアップも話題を呼んだ(当時は赤坂プリンスホテル)=東京都千代田区、2002年撮影
グランドプリンスホテル赤坂の新館=28日午前、東京都千代田区、越田省吾撮影
「赤プリ」の愛称で親しまれてきた西武グループの「グランドプリンスホテル赤坂」(東京都千代田区)が、老朽化などを理由に来年3月末で閉館することが分かった。最も古い旧館は残すが、建築家の丹下健三氏(故人)が設計した40階建ての新館などは取り壊す方向だ。跡地の利用は未定だが、都心を象徴する建物の一つが姿を消すことになる。
1955年に「赤坂プリンスホテル」として開業し、2007年に改名した。広さ約3万4千平方メートルの敷地に、新館、別館、コンベンションセンター「五色」などがある。人気の高級ホテルだったが、近年は外資系高級ホテルの東京進出などで競争が激しくなった。01年に改装するなどてこ入れを図ったが、宿泊客はなかなか増えず、価格も下げたため利益が出にくくなり、営業終了を決めたとみられる。
昭和初期に建てられ、旧朝鮮王室の邸宅として使われていた旧館は、歴史的建造物として保存する方向だ。土地は売却せず、周辺の地権者らとも協議しながら、新たな高級ホテルやオフィスビル、商業施設などの再開発を目指すとみられる。
グランドプリンスホテル赤坂は改名前の赤坂プリンスホテル時代から「赤プリ」と呼ばれ、バブル期には若者らのあこがれのホテルとして人気を集めた。芸能人やスポーツ選手の結婚式などにもしばしば使われた。また、旧館に自民党町村派(清和政策研究会)の事務所があるほか、政界の重要会合の舞台にもなってきた。(鳴澤大)