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お子様ランチ世につれ
2010年04月27日
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復刻される1932年当時のお子様ランチ。国旗やおもちゃが付いている |
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現在のもの。国旗などが無くなった代わり、エビフライにウインナー、ハヤシライスにプリンとメニューが充実 |
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「新鮮多菜にんじん」のもの。八穀米に蒸し野菜、根菜と大豆ミート煮込み、豆の高野豆腐あんかけなど有機野菜中心のメニュー。600円 |
【大人に人気?松坂屋が29日から「元祖」復刻】
●見栄えより健康主流に
日本初の「お子様ランチ」を出した松坂屋。名古屋店(名古屋市中区栄3丁目)が、大型連休の始まる29日から「元祖」を復活させる。この昔ながらのレシピは、大人受けするものの、今どきの子どもたちには不人気とか。グルメや健康志向に様変わりした現在版ランチが主流を占めつつある。(加藤勇介)
松坂屋によると、日本で初めての子ども向け定食は、1930(昭和5)年に三越が売り出した。翌31年に「お子様ランチ」という名称を初めて使ったのが、松坂屋の上野店(東京都台東区)だ。この大型連休に復刻されるのは、初代に改良が加えられて人気を博した32(昭和7)年のものだ。ケチャップライスと白飯でかたどった「富士山ライス」に日の丸の旗、オムレツ、ハンバーグ。これにおもちゃがついて当時は30銭。1日3千食の大ヒットだったという。
松坂屋は呉服店から百貨店になって100周年を記念し、今年1月にもこのランチを復刻した。ところが「注文の8割が大人の方でした」(本館9階・カトレヤダイニング店長の榎本猛さん)。
同ダイニングでは現在、現代版のお子様ランチを販売している。最大の違いは、山型ライス、国旗、おもちゃがないことだ。2007年5月にレストラン街をリニューアルした際、「とがったつまようじは子どもに危ない」という声で旗をなくし、「今の子どもは見栄えよりも本質の味を求める」と考えて、山型ライスとおもちゃもやめた。ハヤシライスにエビフライ、プリンを加えて1050円。休日には50食ほど出る。
一方、旗やおもちゃどころか、卵や肉、魚も使わないというのは、無添加食品などを宅配する「にんじんCLUB」(小牧市)が3月に開いたレストラン「新鮮多菜にんじん」(名古屋市緑区大高町)。「日本一のお子さまランチ開発プロジェクト」と銘打ち、430人の母親にアンケートを取ったところ、「栄養バランスが心配」「アレルギー持ちなので食べられない」との不満が出た。そこで同店は、動物性たんぱく質やアレルギー物質の卵や乳製品などを使わず、有機野菜中心のビュッフェスタイルにした。料理長の上田武史さんは「今の子どもは化学調味料の味を好むと思っていたが、想像以上に喜んで食べてくれる」と手応えをつかむ。
ファミリーレストラン大手のデニーズでも02年から、食物アレルギーの特定原材料7品目を使わない「低アレルゲンプレート」を販売している。
そんな中で松坂屋が復刻版を出すのは「やはり元祖があってこその現在。古き良き定番を懐かしんでほしい」と説明する。同店の復刻お子様ランチの販売は29日から5月5日まで、カトレヤダイニングで。価格は840円。
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