JA杵築市の臨時総会で質問する組合員=25日午前10時48分、杵築市健康福祉センター
景気悪化による不動産融資の焦げ付きなどで単独経営が困難になったJA杵築市(阿部順治組合長)は25日、同市健康福祉センターで臨時総会を開き、県農協(JAおおいた、阿部新咲理事長)への吸収合併案を賛成多数で可決した。JAおおいたが29日の経営管理委員会で承認すれば9月の合併が決まる。
臨時総会には、正組合員約1400人(書面決議分を含む)が出席。阿部順治組合長が「昨年の減資に続き苦しみばかり押しつけて申し訳ない。先輩が築いた営農活動を続けたいので合併の選択をした」と何度も頭を下げ、理解を求めた。
合併案や5支所の統合案などが提案され、出席者からは「支所がなくなっても(営農指導などは)対応してくれるのか」「農協の原点は営農業務だということを忘れないでほしい」などの意見が相次いだ。
採決の結果、合併案は出席した正組合員の3分の2以上の賛成があり、可決。そのほかの議案も賛成多数で可決した。
JA杵築市の貸出金残高は約135億円で、このうち約50億円は賃貸住宅関連。周辺の製造業の非正規労働者が大量に失職。アパートに空室が増え、融資先の返済が滞り、不良債権化した。本年度決算は赤字額が約12億円に上る見込み。
JAおおいたは原則、JA杵築市の賃貸住宅関連の融資は引き継がない方針。農協関係者によると、合併前の不良債権などの処理費用は総額50億円前後が必要とみられており、合併までに精査を進める。処理費用の財源はJAグループ大分で調達する方針。
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