【社説】軍は「天安」事故で臨戦体制の覚悟を見せたか(上)
監査院は哨戒艦「天安」沈没事故で殉国した兵士らの告別式が終了し次第、来週から事件全般に関する職務監査に着手する。監査は単純な行政監査ではなく、軍による対応の適切性を判断する検察的な性格を帯びるという。金泰栄(キム・テヨン)国防長官は今月16日、「(事件直後の)最初の報告が遅延し、一部の措置が不十分だったことから、国民の疑惑を招いたことについて、監査院の職務監査を要請する」と述べていた。
「天安」沈没事故は韓国軍の本質を問うものだ。世界のほぼすべての国が軍隊を保有している。しかし、すべての国の軍隊がその戦力で対峙(たいじ)するか、撃破すべき主敵を持つわけではない。韓国軍は主敵が明確だという点で、他国の軍隊とは本質的に違う。韓国軍の主敵は、韓国を武力で打倒し、韓半島(朝鮮半島)を金日成(キム・イルソン)・金正日(キム・ジョンイル)世襲王朝を頂く主体(チュチェ)の王国にすることを狙う北朝鮮とその首領の金正日、そしてその軍隊だ。北朝鮮の対南戦略は状況によって表面的な変化を見せるが、その本質が対南戦争の延長線上にあるという点に全く変化はない。
韓国軍はこうした好戦的、攻撃的、挑発的な集団を主敵とする軍隊であるために、常時戦場に臨む軍隊として、その組織と綱紀が他国の軍隊とは当然異なってくる。われわれが現在、韓国空軍に問いたいのは、今回の天安沈没事故で韓国軍が常時戦場に臨む軍隊としての組織能力と綱紀を示せたかどうかだ。
その問いに対し、軍も自信を持って「そうだ」とは答えられないし、韓国国民も「わが軍の対応は信頼できる」と答えられないのが今の現実だ。「天安」事件の発生報告から海軍指揮部の状況判断、合同参謀本部の対応指示、各軍による共同対応に至るまで、さまざまな段階で問題点が露呈したことを否定はできない。韓国軍が今回露呈した弱点、欠点、問題点を迅速かつ完ぺきに補強できなければ、韓国とその国民は常に安全だとはいえない。
韓国軍は、北朝鮮との対話を北朝鮮との対峙状態の終息だと宣伝してきた一部政治勢力の安保ポピュリズムに振り回されてはない。また、韓国経済が北朝鮮の38倍の規模だとはいえ、北朝鮮との軍事的対決でわれわれが彼らを一方的に圧倒することが可能だと考える一部国民の安易な判断に引きずられてもいけない。しかし、韓国国民は「天安」事故に対応する軍指揮系統の一部対応を見て、韓国社会のこうした軽薄な雰囲気に軍の一部も汚染されているのではないかと懸念している。
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