【社説】北にこれ以上異常な行為をさせないために
北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記は25日、朝鮮人民軍の創設を記念する78回目の「建軍節」記念行事に出席し、軍事訓練を視察した。その際、「人民軍は首領を決死擁衛(擁護して守ること)する精神、銃・爆弾精神、自爆精神を絶対不変の信念とする強軍に成長した」と述べたという。これは、北朝鮮の複数のマスコミが報じた。朝鮮人民軍はこの訓練で、ソウルを直接攻撃できる「長射程砲」のデモンストレーションも行った。朝鮮人民軍の李英鎬(リ・ヨンホ)総参謀長も、「韓米両国が0.001ミリでも侵犯してくれば、核抑止力を含むあらゆる手段を総動員して吹き飛ばしてやる」と述べた。
一国の最高指導者とされる人物が、このように低劣な表現を直接口にできるものか、理解に苦しむ。ところが、これを実際に平気でやってのけるのが金総書記だ。それがテロ国家である北朝鮮の本質であり、またその首領である金総書記の本質でもある。狂った首領が、自らの異常な命令を直ちに実戦に移す集団を育て、支配しているのだ。しかし金総書記の発言をただ異常な人物のとんでもない言葉として聞き流してはならない。異常な人物として行動することによって、北朝鮮の国力が生まれてくると信じているのが金総書記だからだ。
昨年11月、北朝鮮の警備艇が突然、西海(黄海)北方限界線(NLL)を無断で超えて韓国軍の攻撃を受け、退却するという大青海戦が起きたが、金総書記はこの敗戦の責任を追及し、金明国(キムミョングク)総参謀部作戦局長(大将)を上将(中将に相当)に降格させた。ところが最近になって、金明国氏は再び大将に昇進したという。これは時期的に見ても、哨戒艦「天安」の沈没と一致する。金総書記は昨年2月、通常は上将クラスが就任する第4軍団長に、かつて総参謀長を務めた金格植(キム・ギョクシク)氏を任命し、西海岸一帯の責任を任せた。全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領は、「1988年のラングーン事件は金総書記の指示で行われ、金格植氏が総責任者だった」と述べた。つまり、「金総書記は軍首脳部の人事を通じ、朝鮮人民軍が何としても西海で勝利を収めるようにした」というのが、今回の人事に対する見方だ。
大韓民国は異常な人物の狂った行動を阻止できる体制を常に整えなければならない。金総書記に対しては、異常な行動を今後も続ければ北朝鮮の体制が崩壊し、大韓民国を攻撃すれば、何倍、何十倍の攻撃を受けることを悟らせなければならない。普通の国、正常な国民であっても、時には異常な人物よりも恐ろしくなることを示し、異常な人物たちに恐怖を感じさせる必要がある。
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