フィギュア:「キム・ヨナ株式会社」多難なスタート

 「キム・ヨナ株式会社」が発足した。「フィギュアの女王」キム・ヨナの代理人を務める法務法人・智眼は26日、「キム・ヨナの母パク・ミヒさんが代表取締役兼株主で、キム・ヨナが株主として参加する新設法人(株)オール・ザット・スポーツ(AT Sports)を4月20日に設立した」と発表した。

 キム・ヨナ側は2007年5月からIBスポーツとマネジメント契約を結んできたが、3年契約の期間が満了する30日を前に、既に「キム・ヨナは自分の会社を設立する」といううわさが流れていた。こうした中、キム・ヨナのマネジメントで中心的な役割を果たしてきたIBスポーツの役員が辞表を提出、キム・ヨナとIBスポーツの決別は既成事実化されたムードになっていた。IBスポーツは問題の役員を背任で告訴する方針と伝えられるなど、「キム・ヨナ株式会社」は多難なスタートを切った。

 法務法人・智眼は、「(株)オール・ザット・スポーツはキム・ヨナの今後の活動に関するマネジメントを担当するほか、キム・ヨナが出演するアイスショーの開催、スポーツ分野の有望人材育成などにも事業範囲を広げる計画」としている。パク・ミヒ代表取締役はプレスリリースで、「IBスポーツは複数の事業分野を手掛けており、ヨナのニーズ(要求)を反映した選手管理に限界があった。新法人を設立し、ヨナに対するマネジメントを直接行うのが必要だと判断した」と説明した。

 キム・ヨナのように、アマチュア選手が営利活動のために「家族会社」を設立するのはこれが初めてだ。プロ選手が自ら会社を設立した例としては、イングランドのプロ・サッカー・チーム、マンチェスター・ユナイテッドで活躍中の朴智星(パク・チソン)によるJSリミテッドがある。また最近では、プロゴルファーの梁容銀(ヤン・ヨンウン、Y・E・ヤン)が自身の会社YEスポーツ・ドリーム・アンド・フューチャーを設立している。プロサッカー選手やプロゴルファーの場合、年俸や賞金が収入の中心だが、キム・ヨナは広告・アイスショー出演・ライセンスの権利・スポンサーの後援金などが主な収入源という点が違う。

 キム・ヨナ側が設立した(株)オール・ザット・スポーツの収入は、今後の広告主との渉外やアイスショーの企画などをどれだけ専門的に行うかにより決まってくるものと思われる。キム・ヨナ側がIBスポーツにマネジメントを一任していたときは、収入分配を「選手75:会社25」にしていたが、自ら会社の経営に携わるなら、IBスポーツ側に手数料を支払わず、全収入を手にすることができる。IBスポーツ側は「この1年間でキム・ヨナが受け取った額は55億ウォン(約4億6500万円)だった」と明らかにした。キム・ヨナは独立によりいくら稼ぐことになるのだろうか。

成鎮赫(ソン・ジンヒョク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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