【コラム】竜山区の豪華庁舎、できるものなら没収を(上)

 ソウル・盤浦大橋から南山3号トンネル方面へ向かって盤浦路を走ると、右側にある巨大なガラス張りの建物が目に入り、その大きさに圧倒される。建物の上へ行くにつれ広がる奇抜なデザインが視線を捕らえ、その高さ、幅の広さといい、雄壮そのものという印象を受ける。高層ビルが密集するソウルだが、この一帯は一戸建てや小規模な集合住宅、在韓米軍部隊の宿舎といった低い建物が立ち並んでいるため、なおのこと威圧感が強い。

 この建物こそ、昨年末から市民らに「豪華すぎる」と批判されている竜山区新庁舎だ。1万3497平方メートルの敷地に地上10階・地下5階、高さ44.6メートルという、ソウル市内25区の庁舎では最も大きく、豪華な建物だ。延べ面積5万9177平方メートルは、ソウル・世宗路にある政府中央庁舎(7万8030平方メートル)の4分の3に相当する。投入された税金の額は1500億ウォン(約127億円)以上。人口が25区のうち23位、約25万人という竜山区の庁舎としては大きすぎる。

 このところ、同区庁舎前ではデモが相次いでいる。新庁舎は先月31日に完工し、今月8日には区の職員が既に引越しを終え、業務を開始したという。完工式や開庁式は行われなかった。豪華庁舎をめぐる非難を恐れ、こっそり引っ越しを済ませたというわけだ。

 同区は「元暁路の旧庁舎が狭く老朽化したため新庁舎を建てた。区議会・保健所・文化芸術会館も併設された『総合行政タウン』のため、決して大きすぎるということはない」と主張している。旧庁舎で使用していた机などもすべて持ち込まれ、有効利用しているという。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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