兵力の急減に悩む北朝鮮軍(下)
現在北朝鮮には、正規軍のほか人民保安部(警察)、国家保衛部、教導隊(退役軍人による非正規軍)、労農赤衛隊などの民兵組織があり、これを含めると、北朝鮮がしばしば言及する200万の「銃爆弾」が可能だ。
しかし、最近韓国に入国した元軍人の脱北者は、北朝鮮が誇る「200万の銃爆弾」が、青少年人口の減少により100万を維持することさえも難しくなっている、と語った。94年に金日成主席が死去した後、食糧難で最も大きな打撃を受けた階層が、子どもたちだったからだ。
食糧難で出生率が急減し、生まれた子どもの相当数が栄養失調で死亡したため、子どもの数が急減した。たとえ生き残ったとしても、健康状態は悪く、軍に服務できない若者が多い。
脱北者が運営している対北ラジオ局「自由北韓放送」は、「最近、北朝鮮軍に入隊する兵士たちの背丈の基準が、従来の148センチから137センチに調整された」と報じた。これは、韓国では小学校低学年程度の背丈に当たる。
元教師のある脱北者は、「2000年以降、北朝鮮の主要都市では小学校や中学校が統廃合されたところが多いが、これは児童・生徒の数が以前より20-30%も減り、教室ががら空きの学校が増えたからだ」と語った。
咸鏡北道清津市付近のある学校は、生徒の数が半分に減り、閉鎖されることになったという。李明博(イ・ミョンバク)政権発足後、対北支援が中断し、再び人民軍の師団別に栄養失調の軍人を管理する中隊も増えている。
しかし、劣悪な身体条件を克服し軍隊に入隊したとしても、厳しい訓練と空腹で再び栄養失調に陥る軍人が増え、有事の際に有力な戦力として戦闘を遂行できるのか、という懸念が大きくなっている。その上、最近行われたデノミネーション(通貨呼称単位の変更)の失敗による後遺症もある。
北朝鮮の最前線を守る特殊部隊・民警(民事警察)部隊でも、配給が一定せず、白米からトウモロコシへと質が落ちたという。また、一般の後方部隊では配給さえもきちんと行われておらず、北朝鮮軍の非常警戒態勢は「張り子のトラ」のようなこけ威しだ、という解釈も出ている。
姜哲煥(カン・チョルファン)記者
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