兵力の急減に悩む北朝鮮軍(上)
北朝鮮は今月7日から、全軍・全民に対し非常戦時態勢を宣言した。消息通によると、人民軍は哨戒艦「天安」の沈没事故が発生して以降、寝るときにも靴を脱がないという。だがそれ以上に、北朝鮮の国防委員会は頭を悩ませている。
精神力が衰え、多くの人が飢え死にし、兵力が急減しているからだ。北朝鮮軍部は、韓米連合軍が攻撃してきた場合、手の打ちようもなく崩壊しかねないという懸念が広まる中で最近、国防委の非常対策会議を開いた。
対北消息通によると、北朝鮮が選択したカードは、「女性兵士」の増強だった。戦力の減少を防ぐ「苦肉の策」として、女性の入隊を増やし、在来型の戦力に対する先端化を進め、空白を埋めようという戦略を打ち立てたという。
最近韓国に入国した元軍人の脱北者は、「2008年から女性の入隊が急増し、昨年からは女性も男性と同じく、義務招募(徴兵)の対象に含まれたようだ」と語った。
人民軍への入隊は志願によるものだが、具体的な内幕は強制徴兵制度と変わらない。今では女性も男性と同じく、国家から招集されれば、誰であろうと軍隊に行かなければならない。
女性の入隊が急激に増えたことで、全兵力の20%以上を女性兵士が占めていると思われる。これまで女性兵士は、医務兵や通信交換手、高射砲中隊などを担当してきたが、今では全兵種に拡大されている。
国防委員会が女性を人民軍に大挙入隊させようとしているのは、入隊する男性が不足しているからだ。2011年に入隊する人民軍兵士は、食糧難が本格化した1994年生まれ(軍入隊の年齢は満17歳)の世代に当たる。
金日成(キム・イルソン)主席が死去した94年から98年までは、食糧難が最も厳しかったため、今後数年間は人民軍の兵力減少が不可避の現実になるといわれる。現在、北朝鮮人民軍の正規の兵力はおよそ120万人とみられる。
しかし、実際は異なる。ファン・ジャンヨプ元朝鮮労働党書記は最近、記者に対し、「亡命する前、チョン・ビョンホ労働党軍需工業部長に尋ねたところ、『有事の際の戦闘動員可能兵力は187万人だ』と話していた」と語った。
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