米国に定着した「伝説的脱北者」が自殺、なぜ?(中)
06年に妹と脱北、2年後には母親も米国に連れて来たシンさん
- 今月2日に自ら命を絶った脱北者シン・ヨセブさん。遺族の安全のため、モザイク処理を施した。
さらに、「07年には、クイーンズのフラッシングにあるレストランの駐車場で、また口をふさがれ体をまさぐられたが、兄が見つけて助けられた」と主張した。それから2年後、記者会見で妹のチャンミさんは、A氏の行為を「強姦(ごうかん)」として訴えた。
シンさんの妹は、「その後、わたしたちを避けるようになったA氏は、自分がしたことをほかの人間に話したら、永住権をもらえないようにしてやる。そして、後から脱北してタイに隠れていた母親も米国に来られないようにしてやる、と脅迫した」「世の中を知らない脱北者にとって、A氏の言葉は神様のお言葉のようなもの。タイにいた母と再会できなくなることが怖くて、何も言えず過ごしてきたが、そのせいで兄は何度も自殺を図った」と語った。
妹は昨年5月、A氏から性的暴行を受けたという別の女性と共に、A氏を米国の警察に告訴した。これに対しA氏は、「米国に直接出向いて取り調べを受けた結果、事件そのものが棄却された」と主張した。
だが妹は、「通訳の間違いで、告訴は脅迫・恐喝の部分だけになり、“時効が過ぎた”という理由で棄却された。性的暴行に関して追加で受け付けてもらい、捜査が行われている」と、相反する主張を展開している。
2番目は、金の問題だ。妹は、「米国入国当時、全国の教会で1万2000ドル(現在のレートで約111万円、以下同)の募金が集められ、わたしたち6人に送ってくれた。ところがA氏側はそのお金をわたしたちに一文たりとも渡さず、自らの懐に入れた」と語った。
妹は、「脱北者にとって、2000ドル(約18万5000円)は貴重なお金。A氏は自分の名前を広めるため、わたしたちを利用した上、お金まで横取りした」「後に兄は2000ドルを手にしたが、わたしの分の2000ドルは受け取れなかった」と語った。
一方シンさんの母親は、二人の子供を先に送り出し、後から中国に脱北してタイに身を潜めていた。妹は、「ニューヨークで1000ドル(約9万2000円)を集め、母親を救出してほしいとお金を送ったが、母の手には渡らなかった」と語った。
A氏の米国側関係者であるB氏を通じ送られた金が、消えてしまったというわけだ。妹は、「当然、母のところにお金が届いていると思っていたが、数カ月後にウェブカメラのチャットで母と話をしたとき、受け取っていないと言っていた」と語った。
- 米国に定着した「伝説的脱北者」が自殺、なぜ?(上) 2010/04/25 10:27:33
- 米国に定着した「伝説的脱北者」が自殺、なぜ?(下) 2010/04/25 10:27:41
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