米国に定着した「伝説的脱北者」が自殺、なぜ?(上)
06年に妹と脱北、2年後には母親も米国に連れて来たシンさん
今月2日、米国ニューヨークのあるマンションで、若い脱北者が首をつって自殺した。2006年、妹と共に、米国政府から初めて難民として認められたシン・ヨセブさん(仮名・35)だ。
シンさんは、北朝鮮の政治犯収容所にいたが、中国に脱出した。06年、中国国境を越えてタイに渡った後、ある脱北者支援団体の援助を受け、妹と共に米国行きの飛行機に乗った。
当時、米国の政治上の課題は「北朝鮮人権法案」だった。この法案が議会を通過した直後、シンさんは米国に到着した。米国務省によると、シンさんをはじめ、今年までに難民として認定され、米国に定着した脱北者は94人に上るという。
シンさんは中朝国境を越えるまで、3度も脱北と送還を繰り返した。そして08年には母親までも米国に連れて来るほど、伝説的な人物だった。そのため、「死線を越えて」というシンさんの手記は、話題を集めた。
- 多くの脱北者が、人権団体の支援により自由を手に入れた。だが、一部の悪質な人権活動家の不適切な行為により、脱北者を傷付け、苦しませるケースも多い。写真は、本紙ドキュメンタリー『天国の国境を越える』(2008年)の一場面。/朝鮮日報DB
そんなシンさんが、なぜ自ら命を絶ったのか。本紙が取材した結果、シンさんは生前、映像と文書の形で遺言を残していた。その内容は実に衝撃的なものだった。シンさんは遺書で、韓国の脱北支援団体の関係者を名指しで非難していた。
シンさんの母親は、「ヨセブは、(脱北者を支援してくれた)“脱北支援団体のA氏への恨みを胸に死ぬ”という遺書を残した。そして映像では、2歳になる息子を抱きしめて顔をゆがめ、“わたしが死んだら、お前が代わりにわたしの恨みを晴らしてほしい”と話していた」と語った。
シンさんの妹は、「米国で暮らすようになると、わたしたち家族はA氏からひどい仕打ちを受け、兄は極度の不安とうつ病に苦しんだ」と主張した。シンさんの家族が指摘するA氏の「ひどい仕打ち」とは三つだ。
まず第1に、性的暴行だ。シンさんの妹は、「米国で暮らし始めた当時、ニューヨークのクイーンズにあるA氏の合宿所に滞在していた。ある日夜遅く、家に帰ってソファで寝ていたところ、重みを感じて目が覚め、見るとA氏がわたしの上に乗っていた」と語った。
- 米国に定着した「伝説的脱北者」が自殺、なぜ?(中) 2010/04/25 10:27:37
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