消えた「追い越し車線」(下)
深夜はバスやトラックが追い越し車線を「占領」
交通先進国のドライバー(右側走行)は、低速で走行する場合、必ず右側の車線を走行し、第1車線は追い越す場合のみ走行するというルールを厳守している。制限速度のないドイツのアウトバーンは、追い越し車線と走行車線の区別がはっきりしていることで有名だ。フランスのパリや米国ロサンゼルスの高速道路も、ドライバーが追い越し車線の第1車線を走行車線として走行することはない。片側2車線の高速道路が多いイタリアも同様だ。ガラガラの第2、3車線を走行せず第1車線を走行する韓国の高速道路とは大違いだ。
ソウル市政開発研究院のキム・ウォンホ博士は、「交通先進国では、指定車線制を違反した場合、韓国(4万-5万ウォン=約3200-4100円)の5倍から10倍の反則金が科せられる。乗客の多いバスや事故時の被害が大きい貨物自動車の場合、取り締まりがさらに厳しい」と説明した。
韓国では70年代に指定車線制度が導入され40年が経ったが、ルールを誠実に守っているドライバーはほとんどいない。理由は、貨物自動車と乗用車に対する区別をなくし、物流コスト削減のために指定車線制を1999年4月に廃止したからだ。高速道路の第1車線を追い越し車線に指定し、他の車線はどの車種でも走行可能にしたのだ。
ところが、第1・2車線を大型自動車が高速で走行し、前方を走る小型車との車間距離を詰めたり、急な車線変更や無理な割り込みなどで交通事故が増加した。結局、2000年6月に指定車線制度の復活を決定したものの、ほどんどのドライバーはこれについて知らない。
警察のずさんな取り締まりも原因として指摘されている。警視庁によると、高速道路の指定車線通行違反で摘発される件数は毎年1万件前後で、一日平均では30件ほどにすぎない。
高速道路の警察隊員は、「一般道路では自動車が停止する際に取り締まりを行えばいいが、高速道路では常に車が走行しているため取り締まりが難しい」と実態を打ち明けた。ある隊員は「時速120キロを超えるスピードで第1車線を走行するバスや乗用車を取り締まろうとして大事故が起きた場合、取り締まる側の責任になる」と訴えた。このように夜間の取り締まりは容易ではなく、警察も手をこまねいているのが現状のようだ。
チェ・ソンジン記者
ソク・ナムジュン記者
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