蛇口の取り替え方(水栓の交換)
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蛇口の取り替えは “給水工事” の基本中の基本です。
覚えておけばいろいろと応用が利くので、ぜひこの機会にマスターしておきましょう。 女の方でもきっと出来ますよ。
水は、少しぐらい漏れてもガスや電気のような危険は殆どないので、思い切ってチャレンジしてみて下さい。
今回は、最も一般的な壁付きの単水栓(横向きに付ける水栓)を対象に解説します。
講師は私、“給水装置工事主任技術者” 及び “一級配管工” の 松本がいたします。
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DIYチャレンジ No.001
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Y邸 散水栓の取替え
今回はYさんのお宅の駐車場の散水栓を取換えたいと思います。
大分古くなっていてハンドルも堅く、水の止まりも悪いのでそろそろ交換の時期でしょう。。
今回は屋外の水栓柱に取付けられた蛇口の交換の為、周囲を水で濡らしても平気ですし、障害物も何もありません。つまり最もやり易い条件といえます。
皆さんも最初はこう言うところから始めて下さいね。
それでは作業を始めて見ましょう。 |
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1.用意する物
≪必ず必要な物≫
(1) 水栓(蛇口)
(2) シールテープ
- まず最初に用意する物ですが、この2つは絶対に必要ですね。シールテープは、ホームセンターや金物屋に行けば必ず売っています。
水栓は、今回当サイトで人気の “カラーカップリング付き横水栓” を使用します。
- 尚、今回使用する蛇口と同タイプのガーデニング用単水栓は、こちらのガーデニング水栓やカラー水栓やアニマル造形水栓などのページで販売していますので参考にしてください。
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≪あった方が良い物≫
(3) スパナ(モンキーレンチなど中型〜大型の物)
(4) タオル (厚手の布なら何でも良い)
(5) バケツの水 (水を入れておく)
- これらの3つは状況に応じて用意します。
スパナは、既存の蛇口をはずす時、かたくて回らない場合があるのでその時に主に使います。
- タオルは、新しい蛇口を傷付けない為に使用します。
- バケツの水は、作業の途中で水を止めると手を洗うことも出来なくなりますので汲んでおくことをお勧めします。
何れも後ほど使い方がでてきますので最後まで読んでみてご家庭の状況に応じて用意して下さい。 |
2. 水を止める
- さあ、いよいよ作業に取り掛かるのですが、まず最初にしておく事があります。それは、水を止める事です。
今ご家庭の水道配管は水圧がかかっている状態です。この水圧をゼロにしてやらないと蛇口を外した時に、水が噴出してびしょ濡れになってしまいます。出来ればさけたいですね・・・
- 一戸建て住宅ならお庭のどこかに 「量水器」 や 「止水栓」 と書かれたフタが無いでしょうか? 形は市町村によって違いますが大体左のような感じです。このフタを開けると、水道メーターとバルブがあると思います。大体2つセットでありますので間違わないようにして下さい。もし埋まっていたら掘り起こして下さい。
(一戸建て住宅以外の水の止め方は下を参照)
- このバルブを閉めます。時計回りに回して下さい。
長年触ってないバルブはとても硬い場合があります、そんな時は、“少し時計回りに回してまた戻す、また回してはまた戻す”を繰り返します。
「3歩進んで、2歩下がる♪」の“365歩のマーチ攻撃”(-_-) で段々とハンドルが軽くなります。
- さて、完全に回しきったら、水が止まっているはずです。どこかの蛇口を開けて確かめて下さい。
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※ もし水が止まっていなかったら、次の事を疑ってください。
- 閉めたバルブが違う。
(一般住宅にはバルブが1個〜3個程あります。給湯器用、2階給水用、ソーラー天日用などですが、水道メーターとのセットであるのは通常メインバルブ(止水栓)だけです。)
- バルブが閉まりきっていない。
(家の何処かの水を出しながら、バルブを開けたり閉めたりするとなおる場合があります。)
- バルブが壊れている。
この場合、一時作業を中断して対策を練りましょう。(場合によっては水道屋さんに相談してください。)
ただし、ちょろちょろと少しだけ水が出る程度でしたら作業は出来ます、続けてみましょう。
※ 一戸建て住宅以外の水の止め方
- 集合住宅(マンション)等にお住まいの方
⇒ 玄関入口の近くのスペースに水道メーターとバルブがないか探してみて下さい。
- 井戸水を使っているご家庭
⇒ ポンプ用のバルブがある場合は、それを閉めます。
無い場合は、ポンプのコンセントを抜いて下さい。
3.古い蛇口を外す
さて、いよいよ古い蛇口を取り外すのですが、その前にホースなどの付属品は全て外しておいて下さい。もちろん水が止まっている事が大前提です。
- 両手でしっかりと蛇口を握って下さい。そしてゆっくりと反時計回りに回します。最初は固いかもしれませんが大体はこれで回ります。
固くて回らない場合は、【写真A】 のようにスパナをかけて反時計回りにゆっくりと回します。女の方は、こうした方が楽かもしれません。
- さあ、蛇口が外れましたね。それでは 【写真B】 のように外れた後の穴を覗き込んで下さい。サビやシールテープの残りカスが付いていませんか? これをある程度指で掃除して下さい。 ひどい場合は、歯ブラシを使ったり【写真C】 のようにバケツに汲んでおいた水をかけて洗い流します。(※ 水栓柱は殆んどの場合、内部配管が“ビニールパイプ” なのであまりサビはありませんが、屋内外の壁配管の場合はサビがあります。)
- ある程度キレイになったらこれで準備はOKです。
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ついでに言っておくと今日の作業で最も大事な事は 【写真B】 のメスネジを傷つけない事です。これを傷つけると水漏れの原因になったり、ひどい場合はメスネジ部分が裂けてしまいます。そうなると水栓柱や配管ごと取替えなくてはならなくなります。ここを一番気をつけて下さいね。
4.蛇口にシールテープを巻く
- 新しい蛇口(水栓)にシールテープを巻きます。
左手に蛇口を持ち、その親指でシールテープの端を押さえます。次に右手の人差し指をシールテープの穴の中に入れて持ちます。写真のように持つのが正しい持ち方です。
そして、シールテープを時計回りに6回〜10回くらい巻きます。この巻く回数はオスネジとメスネジの具合で決めますが、ここでは最初は6回からはじめてみます。
コツとしては、両手でひっぱり気味に巻くことです。なるべくテープがたるまないようにしましょう。
- 巻き終わったら、手で巻いたテープを時計回りにしぼるようによく押し付けます。
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5.新しい蛇口を取り付ける
- 新しい蛇口にシールテープが巻けたら、これを先程のメスネジにねじ込みます。ねじる方向は時計回りです。両手でしっかり握り、固くなるまでゆっくりねじ込んで下さい。
- 充分固くなってきたら、ちょうどいい位置(【写真D】の位置)で決めます。力の加減は例えるなら、お父さんが全力で 回して 「もう少し回りそうだけど・・・」というぐらいで止めておくのがちょうど良いんです。
大事な事はねじ込み過ぎない事(メスネジを傷つけます)、それを防ぐために最初は手だけでします。
- どうしても、中途半端な位置で止まってしまう事があります。【写真E】や【写真F】の場合です。
【写真E】 ぐらいの場合は、スパナを使います。残りの90度ぐらいを 【写真G】 のようにタオルでくるんでスパナをかけて回します。( タオルでくるむのは新しい蛇口を傷つけない為です。)※
工具で回すのは90度ぐらいまでにしておきましょう。
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- 【写真F】 のように、全然足りない位置で止まってしまった場合は、面倒ですが、4.蛇口にシールテープを巻く からやり直しましょう。 その時に巻く回数を変えてやり直します。さっきは6回でしたので今度は8回とかにしてみます。もしまた駄目でも、何度も何度もやり直して下さい。プロも同じ事をやってます。
※ここで、もしやり直した場合、前回巻いたシールテープをどうするか?と言う問題が出てきます。
これは全て取り除いて一からやり直しても結構ですし、剥がれかけた半分程度を取り除いても、あえて全く取らずその上から巻き直しても構いません。要は最終的に水が漏れなければ良いのですが、私の経験上“剥がれかけた半分程度を取り除いて、その上からもう一度巻き直す” 方法が最も確実かと思います。
また、これはあくまでも参考ですが、一般的な蛇口(単水栓)は、4周ネジ込んでちょうど正位置付近に来るようになっています。 が、微調節はあくまでもシールテープで行います。(条件によっては稀に3周または5周の場合もありますが・・・)
【写真D】
さて、出来たら確認のため【写真D】のように真正面から見てまっすぐになっているか確かめます。ついでに手で動かしてみて下さい、グラグラしないでしょうか?
壁側(水栓柱側)と殆ど隙間無くピッタリと付いているでしょうか?
大丈夫ならOKです。
6.バルブを開けて確かめる
◆ さあ、いよいよ最終確認です。水をはって見ます。
さっき閉めたバルブを開けてみて下さい。(反時計回りに回します)
まず、取り付けた蛇口をひねってエアー(空気)を抜きましょう。ついでに水が出るかも確認して下さい。確認したら蛇口を閉めて3分間ほど待ちます。
3分経って、蛇口の根元(写真の赤い矢印) から水漏れはありませんか?
もし水漏れがあれば 2.水を止める からやり直して下さい。
もしなければOKです。
7.完 成

お疲れ様でした 完成 です。
ちょっと、分りにくかったかもしれませんが、知識が全くのゼロの方にも理解してもらえるようにがんばったつもりです。もし、参考にでもなれば幸いです。
ぜひ、日曜日にでもお父さん、お母さんがんばって下さい。
※ 作業は各自の責任で行って下さいね。
最後に、作業がややこしくならない為に基本の法則を書いておきます。
≪今回の復習≫ −回す方向に関する基本法則− |
動 作 目 的 |
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回 す 方 向 |
◆ 閉める (バルブ・蛇口)
◆ 締める (ネジ・蛇口)
◆ シールテープ巻き |
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時計回り |
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◆ 開ける (バルブ・蛇口)
◆ ゆるめる (ネジ・蛇口) |
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反時計回り |
一般家庭の水道器具は、99% がこの法則です。 |
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