「北朝鮮の人道支援を考えるつどい」で講演する米津篤八さん
現在の朝鮮民主主義人民共和国を理解するには朝鮮戦争と、それに至る歴史と背景をよく知ることが重要だと問題提起され、北朝鮮が何を考えているのかよく解らないという印象を少しでも払拭することを講演の目的としたいと語られました。例えば、94年7月に金日成氏が死去したとき、マスコミで報道されたことは、北朝鮮が戦争を始めるとか、南進するとか、あるいは崩壊するとか、自滅するとか、内乱に向かう、金正日氏が自滅する、などなど、無責任な混乱イメージばかりだったが、そういった予測はどれも当たらなかった。
こうした予測のどこが間違っていたかといえば、この日本の現状をまるごと肯定して日本社会というレンズを通してのみ北朝鮮を観てしまうことに認識の歪みが生じる。相手のことを本当に理解するなら、自分たちのあり方を絶対視して相手を見下し、決めつけるのではなく、相手がいったいどんな経験をしてきたのか、そしてその経験を通して、どのような考え方に立っているのか、そういうことを内在的に理解していく努力が必要だと述べられ、朝鮮戦争について、年表や当時の新聞記事を資料に、私たちに解りやすく講演してくれました。