福岡市の会社員女性(32)の切断遺体が博多湾などで相次いで見つかった事件で、福岡県内の質店で見つかった被害女性の所持品と同型の時計について、福岡県警は27日、時計に付着していた微物のDNA鑑定などから、この女性のものと断定した。
捜査関係者によると、腕時計はギリシャの有名ブランド品。女性が行方不明になった後、県内の質店に、女性が所持していたのと同型の腕時計を、男性が質入れしたことが分かり、県警で鑑定などを進めていたという。女性が身につけていたアクセサリーは見つかっていない。
質入れしたのは、福岡市内に住む30代前後の男性とみられ、被害女性とは顔見知りではないという。県警は、男性が腕時計を入手した経緯などについて慎重に調べを進めている。
女性は3月5日夜に、勤務先をマイカーで退社。翌6日早朝のゴルフコンペのため、同僚が女性のマンションを訪ねたが、応答がなかった。自宅には現金が入った財布や車のかぎなどが残されていたが、私用の携帯電話がなくなっていた。部屋が荒らされた様子はなかったという。室内からも血液反応は検出されておらず、県警は、遺体は自宅外で切断されたとみている。
=2010/04/28付 西日本新聞朝刊=